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マンガ家Mの日常
仕事を受けるべきか、正直5分5分だった。
勿論マンガ家である以上、作品は描きたい。
でも、雑誌の方向性に自分にはそぐわないものがあった。

ここの編集部では以前一度お仕事をさせていただいた事があったのだけど、
きちんと段取りを踏んで打ち合わせしていた筈が、
編集部内の何処かで話がズレてしまっていたようで、
仕事の途中で予想外の要望が出て来た。
それには答える訳にも行かず、仕事は頓挫しかけた。
結局なんとか原稿をアップするところまで辿り着いたが、
やはり一部修正せねばならず、
自分の意思と違う形になってしまい、酷く後悔した。
傍から見れば小さな修正かもしれないけど、
作品のひとつひとつ、線の1本にも精魂込めて描いている身としては、
作品を歪められることはあってはならない。
それは作家としてあるべからざる姿だ。

今回編集さんの仕事熱心さはよくわかった。
でも、また前回と同じような推移になるのではという懸念を払拭しきれない。

加えて、雑誌の形態と方向性を考えると、
先々の自分の仕事の将来的展望が見えて来ない。

まだただの顔合わせなので、こちらとしても何処まで手のウチを見せるか
迷うところはあったが、迷っても仕方無いので、
かなりのところまで正直に話した。
でも、こちらが提案する事が今も先々も全く通りそうに無い。
妥協点も無く全部覆されるのでは、話はまとまり様が無い。

編集さんとしては、思い描く理想の作品像があるようだけど、
そんな理想的な作品はホイホイかけるもんでは無いし、
マンガだって世の多くの商品と同様、良い物にはそれなりのコストがかかるのだ。
良い物を手に入れようと思えば、相当の対価を支払うのが世の常。
ページ数だって必要になる。
でも、そこのところも話は通らない。
どうしたいのだろう?

...別に私じゃなくても良かったのでは???


決めかねて、5分5分の状態で顔合わせに臨んだので、
本音を言えば、仕事したくなるよう説得して欲しかった。
でも、プラスの話よりマイナスの話ばかりが多く提示されて、
説得されている感じはしなかった。
う〜ん、よくわかんないけど、もし自分が編集の立場だったら、
作家が話に乗って来るような、
何か上手い方向付けをしようとするもんじゃないだろうかね。
せめて、マンガ家が引くようなマイナス情報はなるべく隠すとか。

時間が8時間にもなってしまったのは、付き合った私も悪い。
でも、基本こうした打ち合わせは編集者がリードするもんの筈。

そしてせめて、2時間程してお互いのカフェラテが殻になったあたりで、
まだ話を続けるのなら、おかわりくらい勧めてた、私が編集者ならね。
それを合図に話を終了させる事も出来ただろうにね。

手頃な合図が出たところで、この話終了。
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