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マンガ家Mの日常
インドネシアや韓国で、ハーレクインコミックスがデジタル配信されるようになり、
現地の基準に合わせた画面修正が入り、その報告をいただいた。

海外配信は嬉しいけど、
現地のマネージメント会社や翻訳会社に収益の大半を持って行かれるので、
我々マンガ家にはほぼ収益が見込めない。
0だと思っているくらいが妥当。
なので、気持ちは盛り上がらない。
今はハーレクインタイプのマンガを周知させる為の布石のような状況で、
遠い将来にはもう少し収益が見込めるようになるのかもしれないけど、
そうなる前に作品を配信されて使い切られるのは割りに合わない。
必死で描いた大事な作品を布石として踏みつけにされるのは勘弁。
どうせ収益0だとなると、余計に...。


ハーレクインの場合、大人の男女のベッドシーン等も多くあり、
国によって性表現の基準が異なるので、
何らかの画面修正は受け入れざるを得ない。

それは良いんだけど、

現地のマネージメント会社が仕切っていて、マンガ家に対しては全て事後報告。
されるがまま。
要はお金の問題で、いちいちマンガ家に対応してると、労力や経費がかかるから。
本来ならば、制作者であるマンガ家に、画面修正の権限があると思うので、
無断で修正されるのは納得がいかない。
何となく、気色悪い感じがまとわりつく。
海外配信当初はもっと酷い修正だったそうで、
ハーレクイン編集部から繰り返し要望を出して、徐々に改正されているらしい。
数年前に編集長職を継いだTさんが丁寧に説明して下さった。


「著作権者」と書こうとして、
「制作者」に改めた。
原作ものの場合、マンガ家だけで著作権者とはならず、
契約書を正確には覚えていないけど、ハーレクインのような会社の場合、
原作者やマンガ家よりも、会社が強い権限を押さえてたりするので、
マンガ家の立場は極めて弱くて、画面修正にも参加させてもらえない。
作品を自分自身でコントロールする事が出来ない状況を何度も経験すると、
原作ものから足が遠のく。
出版社にはもう少しマンガ家の権利を保護する事を検討してもらいたい。
...マンガ制作の果てしない労力を考えれば。
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