原作選定からの悪循環で、進行が遅れ、長引いて、疲れきってしまっている。
当時の担当さんは、原作が「しっとり系」の人気作だからと言う事で
選んで下さったようだったのだが、
繰り返し言うが、仮に小説として出来が良かったとしても、
それがマンガとして有効とは限らない。
表現形態が違う、そこをわかっているかどうか、の問題である。
この場で詳しく書く事は出来ないが、
まず何に置いても、原作のヒロインの言動に相容れない点を多く感じる。
原作者はヒロインをヒロイン足らしめようとひたすらフォローするのだが、
闇雲に肯定されても、かえって不自然さが増すばかり。
否定すべきは否定して、そこから再出発すれば良い事なのだが、
そうはなっていないので、物語全体の心理描写が全て歪んで来る。
展開にも心理描写にも、描き手として付いて行けない。
英国と日本の国民性の違いだけの問題とは思われない。
プロットで組み直し、ネームで作り込み、
物語として納得のいくところまでなんとか作り上げたが、
あくまでも原作物で、原作の展開を無視する訳にはいかず、
原作の陰がちらつくと、もう、ヒロインに感情移入するのが難しくなる。
原作のストーリー展開が、
現状のハーレクイン・コミックスの形態とマッチしない。
担当さんはこうした「しっとり系」が気に入っておられたのかもしれないが、
展開が淡々としていて、125ページの読み切りにはノリが良く無い。
マンガを描くイメージトレーニングとして、
小説を読んだり映画を見たりする際には、これをコミック化したらどうなるか、
と言う事を頭の中でシュミレーションを時々する。
マンガにして面白く読める話か、キャラクター性はどうか、
どういう画面になるか、何ページくらいの規模になるか、等々。
それで、今作もシュミレーション出来ていて、
最初から厳しい状況が見えていたのだけど、
もう、その段階でこれしか原作を受け取れておらず、何とかするしか無かった。
これもまた繰り返しになるが、原作に対して何か評価を下す気は毛頭ない。
それは私の仕事の範疇では無いし、小説は小説の読者の為に書かれた物だから。
ただ、それをマンガにした場合、どうか、と言う事である。
また、自分の絵柄や作品の傾向からしても、
今作のような淡々とした話は合わない。
担当さんのマッチングのミスだと思うのだが、
それを伝えても、スルーされたようで、話が噛み合った感じがしなかった。
噛み合ないのも当然である。
メールとたまの電話だけで、直接会っての打ち合わせが全く無い。
それでは、互いの求めている物、目指す方向等、わかり合い様が無い。
仕事として用は足りているが、やはり人としてお互いに意思疎通を図るには
直接会って話をしなければ、と思う。
昨今の出版不況で、マンガ家の原稿料を下げるだけでは足りず、
編集者の数を少なくする事で会社は経費を押さえている。
少ない人数の編集者でそれなりの数の本を作るとなると、
ちょっと残業したくらいでは追いつかないので、
結局、マンガ家とのやり取りを減らして手間を省く方向に向かう。
ある程度のキャリアがあれば、作品の制作過程で編集者をあてにせずとも良いが、
それ以前に、意思疎通が図れていないのは困った事だ。
その事も当時の担当さんに伝えはしたのだが。
...
とにかく原稿は何とか進めている。
でも、感情移入に度々足踏みするのと、
現行のページ数の問題で、かなり情報を詰め込む構成になっているのとで、
手間がかかってしょうが無い。 長丁場で完全に体力を消耗している。
仕事としても全く割に合わない。
予定も色々崩れてしまった。
プロセスは惨憺たる有様だが、
マンガの方は読み応えのある物に仕上げるとお約束するので、
コミックスが発行されたら是非手に取って読んで欲しい。
まぁ...とにかく疲れる。
次回以降は、もうどんなに時間がかかっても、徹底して原作を選んで、
納得出来た物だけ描く事にしよう。
そうでなければ原作物をやる意味が無い。
当時の担当さんは、原作が「しっとり系」の人気作だからと言う事で
選んで下さったようだったのだが、
繰り返し言うが、仮に小説として出来が良かったとしても、
それがマンガとして有効とは限らない。
表現形態が違う、そこをわかっているかどうか、の問題である。
この場で詳しく書く事は出来ないが、
まず何に置いても、原作のヒロインの言動に相容れない点を多く感じる。
原作者はヒロインをヒロイン足らしめようとひたすらフォローするのだが、
闇雲に肯定されても、かえって不自然さが増すばかり。
否定すべきは否定して、そこから再出発すれば良い事なのだが、
そうはなっていないので、物語全体の心理描写が全て歪んで来る。
展開にも心理描写にも、描き手として付いて行けない。
英国と日本の国民性の違いだけの問題とは思われない。
プロットで組み直し、ネームで作り込み、
物語として納得のいくところまでなんとか作り上げたが、
あくまでも原作物で、原作の展開を無視する訳にはいかず、
原作の陰がちらつくと、もう、ヒロインに感情移入するのが難しくなる。
原作のストーリー展開が、
現状のハーレクイン・コミックスの形態とマッチしない。
担当さんはこうした「しっとり系」が気に入っておられたのかもしれないが、
展開が淡々としていて、125ページの読み切りにはノリが良く無い。
マンガを描くイメージトレーニングとして、
小説を読んだり映画を見たりする際には、これをコミック化したらどうなるか、
と言う事を頭の中でシュミレーションを時々する。
マンガにして面白く読める話か、キャラクター性はどうか、
どういう画面になるか、何ページくらいの規模になるか、等々。
それで、今作もシュミレーション出来ていて、
最初から厳しい状況が見えていたのだけど、
もう、その段階でこれしか原作を受け取れておらず、何とかするしか無かった。
これもまた繰り返しになるが、原作に対して何か評価を下す気は毛頭ない。
それは私の仕事の範疇では無いし、小説は小説の読者の為に書かれた物だから。
ただ、それをマンガにした場合、どうか、と言う事である。
また、自分の絵柄や作品の傾向からしても、
今作のような淡々とした話は合わない。
担当さんのマッチングのミスだと思うのだが、
それを伝えても、スルーされたようで、話が噛み合った感じがしなかった。
噛み合ないのも当然である。
メールとたまの電話だけで、直接会っての打ち合わせが全く無い。
それでは、互いの求めている物、目指す方向等、わかり合い様が無い。
仕事として用は足りているが、やはり人としてお互いに意思疎通を図るには
直接会って話をしなければ、と思う。
昨今の出版不況で、マンガ家の原稿料を下げるだけでは足りず、
編集者の数を少なくする事で会社は経費を押さえている。
少ない人数の編集者でそれなりの数の本を作るとなると、
ちょっと残業したくらいでは追いつかないので、
結局、マンガ家とのやり取りを減らして手間を省く方向に向かう。
ある程度のキャリアがあれば、作品の制作過程で編集者をあてにせずとも良いが、
それ以前に、意思疎通が図れていないのは困った事だ。
その事も当時の担当さんに伝えはしたのだが。
...
とにかく原稿は何とか進めている。
でも、感情移入に度々足踏みするのと、
現行のページ数の問題で、かなり情報を詰め込む構成になっているのとで、
手間がかかってしょうが無い。 長丁場で完全に体力を消耗している。
仕事としても全く割に合わない。
予定も色々崩れてしまった。
プロセスは惨憺たる有様だが、
マンガの方は読み応えのある物に仕上げるとお約束するので、
コミックスが発行されたら是非手に取って読んで欲しい。
まぁ...とにかく疲れる。
次回以降は、もうどんなに時間がかかっても、徹底して原作を選んで、
納得出来た物だけ描く事にしよう。
そうでなければ原作物をやる意味が無い。
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