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マンガ家Mの日常
デジタル配信の契約書の見直しが進んでいるようです。
事業が広がっていくと、細かい詰めの調整をしなくてはならなくなる。

いやぁ〜、マンガの仕事なんて所詮は口約束の世界で、
その昔、とある編集さんも契約書作成は面倒だから嫌がってた。
作品毎にいちいち契約書作るくらいだったら本は作らない、とまで言っていた。
かなり古い世代?
今は雑誌が同時進行でデジタル配信されるようになって来ているから、
契約書作成がどんどん進んでいるんだろう。
法律の部署を拡充するか、編集者が契約の勉強をするか。
契約書に明るくない編集者は淘汰されて行く時代になった?

以前はコミックスの契約書はせいぜい2ページ分で、極々単純だったんだけどね。
今はそれもどんどん分厚くなって来ています。

デジタル配信の段階では、作品作りは過去の事なので、
マンガ家と担当編集者との共同で作品作りをしている感覚では無くなっている。
そうなると、契約書の文言がマンガ家に対して厳しくなるばかり。
事業がこなれてくるにつれて、以前のような酷いものでは無くなって来て、
平均化されては来たようだけど。

編集者の仕事も時代の流れで変化して行く。
出版社がマンガ家をデビューさせて育てていた古き良き時代は完全に終わった。
自分達が育てたマンガ家だったら、
マンガ家と作品とを守ろうと言う意識がもっと働いた筈。

今回の契約書で一部、問題と思える箇所があったので、
担当の方とお話しして、改訂していただきました。
譲歩してもらえて良かった。
そうでなければ、契約は諦めるつもりでした。
これまでそうして来たように。

契約書の持つ意味は重い。

マンガ家さん達の経済的事情はそれぞれなので、
不利な契約書を飲んで収入を得るのを批判する事は出来ません。
でも、誰かがそういう事に流されてしまっていたら、
今後もずっと不利な条件下での仕事が続いて、
マンガの仕事の世界にとって良い事では無いと思うのです。

このブログで以前にも同様の事を書いたように記憶していますが、
やはり契約書には真剣に向き合っていかなければなりません。
契約書は法律に準ずる社会の規範になるのです。
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【2015/06/17 (水) 08:50】 | 仕事情報
トラックバック() | コメント(1)

著作権とは
メリーベル
お久しぶりです!

今回、先生とは全く関係のない話題で恐縮ですが、
最近、刀剣乱舞という女性に大人気のネットゲームにおいて、大量のトレス・写真の盗用が発覚しました。

こういったことの著作権など、先生はとてもストイックで正しい目を持っていらっしゃると思い、著作権についてのご意見をお伺いしたいなと思い、コメントさせて頂きました。

先生もお忙しいでしょうし、ご面倒でしたら無視して頂いて構いません。

とりあえず経緯をざっとご説明させて頂きます。
1週間前ぐらいに、ゲームの中の課金アイテムの「桜弁当」というアイテムを実際に作ろうとしたユーザーが、ネットで調べたらそっくりな画像があるということで、そこから芋づる式に
あらゆるアイテム、背景などなどの写真の盗用が発覚し、果ては丸と棒しかない串団子までアマナの写真をトレスしていたということで、
ヤフーニュースでもついに取り上げられる事態となったようです。

ちなみに、盗作検証サイトのアドレスを記しておきます。

http://wikiwiki.jp/toukentrpk1/

ここの左側のサイドバーの「アイコン等の素材盗用について」のところに、検証のまとめが載っております。

ちなみに、発覚して1週間ぐらいの間、ゲームの制作陣はだんまりを決め込んでおりましたが、今日ついに「詳細を調査中」との声明を出したようです。

そこで、トレスとはどこまでをよしとするのか、と思いまして。
これは私の個人的見解ですが、商業的に出す場合、
・有料素材でも、横に置いて見ながら描く←角度など、アレンジすればギリギリセーフ
・トレスなら、自分で撮った写真はセーフ
なのかな、と思っています。

ネットで簡単に画像が拾える時代になったため、安易にトレスでコストを下げようと考える人も増えそうですね。
でも、これって、最初に苦労して写真を撮った人やイラストを描いた人の苦労を踏みにじるものではないでしょうか?
著作権って、そういった「最初に描いた人のための権利」を守るべきものだと思うのです。
実は私もこのゲームをやっていたユーザーでしたので、
キャラクターは好きだったのに、今回のこの騒動でがっかりしてしまいまして…。

何だかうまくまとめられず、長文になってしまい、乱筆乱文失礼いたしました。

著作権って難しいですね…。


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コメント
この記事へのコメント
著作権とは
お久しぶりです!

今回、先生とは全く関係のない話題で恐縮ですが、
最近、刀剣乱舞という女性に大人気のネットゲームにおいて、大量のトレス・写真の盗用が発覚しました。

こういったことの著作権など、先生はとてもストイックで正しい目を持っていらっしゃると思い、著作権についてのご意見をお伺いしたいなと思い、コメントさせて頂きました。

先生もお忙しいでしょうし、ご面倒でしたら無視して頂いて構いません。

とりあえず経緯をざっとご説明させて頂きます。
1週間前ぐらいに、ゲームの中の課金アイテムの「桜弁当」というアイテムを実際に作ろうとしたユーザーが、ネットで調べたらそっくりな画像があるということで、そこから芋づる式に
あらゆるアイテム、背景などなどの写真の盗用が発覚し、果ては丸と棒しかない串団子までアマナの写真をトレスしていたということで、
ヤフーニュースでもついに取り上げられる事態となったようです。

ちなみに、盗作検証サイトのアドレスを記しておきます。

http://wikiwiki.jp/toukentrpk1/

ここの左側のサイドバーの「アイコン等の素材盗用について」のところに、検証のまとめが載っております。

ちなみに、発覚して1週間ぐらいの間、ゲームの制作陣はだんまりを決め込んでおりましたが、今日ついに「詳細を調査中」との声明を出したようです。

そこで、トレスとはどこまでをよしとするのか、と思いまして。
これは私の個人的見解ですが、商業的に出す場合、
・有料素材でも、横に置いて見ながら描く←角度など、アレンジすればギリギリセーフ
・トレスなら、自分で撮った写真はセーフ
なのかな、と思っています。

ネットで簡単に画像が拾える時代になったため、安易にトレスでコストを下げようと考える人も増えそうですね。
でも、これって、最初に苦労して写真を撮った人やイラストを描いた人の苦労を踏みにじるものではないでしょうか?
著作権って、そういった「最初に描いた人のための権利」を守るべきものだと思うのです。
実は私もこのゲームをやっていたユーザーでしたので、
キャラクターは好きだったのに、今回のこの騒動でがっかりしてしまいまして…。

何だかうまくまとめられず、長文になってしまい、乱筆乱文失礼いたしました。

著作権って難しいですね…。
2015/06/20(土) 01:31 |   | メリーベル #4a22a2ff98[編集]
[管理者用 返信]
Re:今日は
歴女からの刀剣ブームとかもあって、このゲームの名前は聞き覚えがあるような気がしましたが、
ネットも含め、ゲームを全くしないので(今時...笑)サイトを見てびっくりでした。
プロの仕事では全く無いですね〜、製作者チームは何を考えていたのかな。
キャラクターデザイナーを雇うべきだったですよね。
これについて書くとどうしても長くなりそうだったので、記事の方で書きますね。
その方が考えを整理出来て良いようなので。
2015/06/20(土) 10:58 | たまいまきこ

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