仕事が終わった後、食器を一通り洗い直す。
茶渋とか、こびりつきとかの汚れが残ってたりするから。

ハーゲンダッツを買った時のおまけでついて来たコップを洗っていると、
ふと手がすべって、シンクに置いてあったウエッジウッドの
ワイルドストロベリーのビーカーに当たった。
ウエッジウッドは物が良くて、スマートな作りでもなかなか丈夫にできてる。
でも、今回は物理的に当たった方向性が悪かったらしく、
おまけのハーゲンダッツコップは無傷で、
３５００円のウエッジウッドが割れてしまった。
なんてこった、立場をわきまえろ！！！

亡骸を見るのがツライから、すぐにゴミ格納庫へ片付けた。
定番商品だから、そのうち改めて買い直そう。
ビーカーが割れたのは悲しい事だけど、こういう時は、
何かの災難を　私の代わりに被って、助けてくれたんだと思うようにしてる。
お務めご苦労ね。

仕事中はアシスタントさんに洗い物をやってもらっている。
食事の用意は私がするし、洗い物をして手が冷えると
絵を描く微妙な感覚が鈍るから。
自分一人の時は当然自分でやるんだけど、
仕事中は気が張っているからか、寝不足でも何でも、下手な失敗はしない。
逆に、仕事が終わって気が抜けた時がヤバイみたい。
何年かの間に、セットの食器が次々と数が揃わなくなっていってる。
荒れた人生の断片のよう。

原稿が手元を離れると、仕事をしていた記憶が無くなる。
生きていた記憶も無く、コミックスが何冊か残って、それで人生終わる訳か？