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マンガ家Mの日常
Facebookやネットニュースを眺めていると、
合間合間にデジタルコミックの断片が入って来る。
良さそうなのを開いて、無料の分だけ見てみる。

激しくピンキリ。
企画側が、安く使える素人に描かせたようなものも多く、
そういうのが「マンガ」として世に出されるのは、困った風潮。
一方で、丁寧な仕事ぶりで、確かな画力を感じさせる作品もある。

それでも、デジタルコミックの限界が見えてしまう。
多くは企画モノらしく、テーマが限定されていて、原作者付き。
その事自体がダメなわけではないのだけど。

まず、デジコミで手早く読ませる為に、ページ数が少なくて、
ひたすら無駄なく詰め込もうとしている。
勿論、上手な作家はそれでちゃんと読ませているのだけど、
演出の呼吸、潤いのようなものが入る余地が無い。
また、原作付きの場合、
原作者が文章で出したものにマンガ家が絵をあてるだけのような形になりがち。
詰め込みだから、仕方ない。
結果、絵は目に入るものの、飛ばしがちで、文章だけを追う読み方になってしまう。
原作の文章がマンガとしてのエピソードになり切れておらず、
マンガ家はエピソードを描く絵に至らない。
こうした傾向のまま創作を継続すると、マンガ作品本来の味わいが薄まり、
マンガ家も、エピソードを表現しようとする技術や意識が低下しかねない。

小さな画面をスクロールして、短時間で読み流す、
デジタルコミックの弊害が、今後のマンガの世界にどう影響を及ぼすのだろうか。
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