グレタ・トゥーンベリは環境破壊に対する憤りから逃れられず、
環境活動家として大きな行動に繋げた。
アスペルガー症候群の特性を自らの意思で生かした。
萩尾先生は、幼い頃から家族や周囲との軋轢に悩み、
消えない葛藤をマンガの作品として表現した。
アスペルガー症候群を「個性」だと言い切るのは、まだ無理があるような気がする。
一つの事柄に集中して邁進するのは構わないけれど、
無自覚な言動で他者を傷つけるのは、一般的には受け入れられない。
「萩尾が萩尾であるために」
マネージャーの城さんは「ジルベール」を竹宮先生に送り返した。
そうして、萩尾先生が体調を整えて仕事に集中出来るようケアした。
「ジルベール」と「大泉」の2冊を読んだ多くの読者は、
萩尾先生の対応に問題を感じるだろう。
一般的には、批判されても仕方がない。
しかし、この対応が、アスペルガー症候群である萩尾先生の限界点なのだ。
他人の心の中はわからない。
ましてや、レンジが違うアスペルガー症候群の人であれば尚更。
長い年月、相手も葛藤を抱え込み、ようやく謝罪の姿勢を整えた時、
元の出来事の内容にもよるだろうが、
なるべくなら謝罪を受け止めて、相手を赦したいと思う。
そうするのが、自分の側の葛藤をなだめる唯一の方法だから。
(人はなかなか変われないので、多くの場合、和解は上手くいかないけれど。)
萩尾先生の心中はどうなのだろう。
50年前の仕打ちを決して赦さないのだろうか。
いや、赦したくても、アスペルガー症候群故のこだわりが、そうさせてくれない。
苦しみは、ただ「永久凍土に封じ込める」しかない。
(「大泉」の文中のこの表現もまた、「A-A'」を想起させる。)
しかし、それは、帯状疱疹のウイルスのように、ただ眠っているだけで、
いつまた姿を表すかわからない。
忘れようと努めて、忘れられている期間もあるけれど、
永遠にそこにある事を、本人が知っている。
...その葛藤は、また作品作りの原動力に繋がるのだろうか。
才能溢れるマンガ家同士、出会った頃の萩尾先生と竹宮先生は、
お互いの作品をリスペクトし、魅力を感じ合っていた筈。
「出禁文書」や盗作疑惑で、全てが崩壊してしまった。
成功を夢見る血気盛んな若者故の過ちと、他人の目線からはそう言える。
でも、萩尾先生は、決してそのようには片付けられない。
「竹宮先生の「ファラオの墓」「地球へ...」「風と木の詩」面白いよ。
萩尾先生、絶対好きになるから読んでみて!」
そう言えたら良いのに...。
アスペルガー症候群であっても、そうでなくても、
人は、長い人生で、多くの苦しみ、葛藤、後悔を抱えて、
苦悩しながら生きている。
自らの苦悩に足を掬われる時もありながら、
苦悩で反動するバネが、生きる力になる時もあるに違いない。
(このテーマ、完了。)
後記
医療の専門家でもないのに、書籍を読んだだけで、
相手をアスペルガー症候群だと決めつける事については、
問題視されても仕方ありませんが、私自身としては、
「大泉」で短絡的に萩尾先生を批判するのではなく、
これまでの作品等を交えて、萩尾先生の立場や意識に沿って考えた結論です。
萩尾望都先生は、私の人生を大きく動かした恩人の一人です。
一生、感謝しています。
環境活動家として大きな行動に繋げた。
アスペルガー症候群の特性を自らの意思で生かした。
萩尾先生は、幼い頃から家族や周囲との軋轢に悩み、
消えない葛藤をマンガの作品として表現した。
アスペルガー症候群を「個性」だと言い切るのは、まだ無理があるような気がする。
一つの事柄に集中して邁進するのは構わないけれど、
無自覚な言動で他者を傷つけるのは、一般的には受け入れられない。
「萩尾が萩尾であるために」
マネージャーの城さんは「ジルベール」を竹宮先生に送り返した。
そうして、萩尾先生が体調を整えて仕事に集中出来るようケアした。
「ジルベール」と「大泉」の2冊を読んだ多くの読者は、
萩尾先生の対応に問題を感じるだろう。
一般的には、批判されても仕方がない。
しかし、この対応が、アスペルガー症候群である萩尾先生の限界点なのだ。
他人の心の中はわからない。
ましてや、レンジが違うアスペルガー症候群の人であれば尚更。
長い年月、相手も葛藤を抱え込み、ようやく謝罪の姿勢を整えた時、
元の出来事の内容にもよるだろうが、
なるべくなら謝罪を受け止めて、相手を赦したいと思う。
そうするのが、自分の側の葛藤をなだめる唯一の方法だから。
(人はなかなか変われないので、多くの場合、和解は上手くいかないけれど。)
萩尾先生の心中はどうなのだろう。
50年前の仕打ちを決して赦さないのだろうか。
いや、赦したくても、アスペルガー症候群故のこだわりが、そうさせてくれない。
苦しみは、ただ「永久凍土に封じ込める」しかない。
(「大泉」の文中のこの表現もまた、「A-A'」を想起させる。)
しかし、それは、帯状疱疹のウイルスのように、ただ眠っているだけで、
いつまた姿を表すかわからない。
忘れようと努めて、忘れられている期間もあるけれど、
永遠にそこにある事を、本人が知っている。
...その葛藤は、また作品作りの原動力に繋がるのだろうか。
才能溢れるマンガ家同士、出会った頃の萩尾先生と竹宮先生は、
お互いの作品をリスペクトし、魅力を感じ合っていた筈。
「出禁文書」や盗作疑惑で、全てが崩壊してしまった。
成功を夢見る血気盛んな若者故の過ちと、他人の目線からはそう言える。
でも、萩尾先生は、決してそのようには片付けられない。
「竹宮先生の「ファラオの墓」「地球へ...」「風と木の詩」面白いよ。
萩尾先生、絶対好きになるから読んでみて!」
そう言えたら良いのに...。
アスペルガー症候群であっても、そうでなくても、
人は、長い人生で、多くの苦しみ、葛藤、後悔を抱えて、
苦悩しながら生きている。
自らの苦悩に足を掬われる時もありながら、
苦悩で反動するバネが、生きる力になる時もあるに違いない。
(このテーマ、完了。)
後記
医療の専門家でもないのに、書籍を読んだだけで、
相手をアスペルガー症候群だと決めつける事については、
問題視されても仕方ありませんが、私自身としては、
「大泉」で短絡的に萩尾先生を批判するのではなく、
これまでの作品等を交えて、萩尾先生の立場や意識に沿って考えた結論です。
萩尾望都先生は、私の人生を大きく動かした恩人の一人です。
一生、感謝しています。
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無題
Tomo
同じ事を感じていた人がいて安心しました。
私も萩尾望都の漫画を小学生の時からずっと今日まで読んできました。
今回の自伝を読んだ時に、なぜか、違和感を感じたんですが、たまたまユーチューブで生の萩尾さんへのインタビュー動画(昔のTV番組から抜粋されたもの)が数本アップされていたのを見つけまして、その話す内容、話し方、あと視線の合わせ方からアスペルガーでほぼ間違いないだろうなと思いました。
そう考えると、自伝の内容もなぜ大泉時代竹宮さんと上手くいかなくなったのか、すべて合点がいきます。だって竹宮さんは確かにすごい創作家ですが、普通の人ですもの。それを努力であそこまでになった。
萩尾さんが天才なのは、アスペルガーだからだと思いました。
Tomo
同じ事を感じていた人がいて安心しました。
私も萩尾望都の漫画を小学生の時からずっと今日まで読んできました。
今回の自伝を読んだ時に、なぜか、違和感を感じたんですが、たまたまユーチューブで生の萩尾さんへのインタビュー動画(昔のTV番組から抜粋されたもの)が数本アップされていたのを見つけまして、その話す内容、話し方、あと視線の合わせ方からアスペルガーでほぼ間違いないだろうなと思いました。
そう考えると、自伝の内容もなぜ大泉時代竹宮さんと上手くいかなくなったのか、すべて合点がいきます。だって竹宮さんは確かにすごい創作家ですが、普通の人ですもの。それを努力であそこまでになった。
萩尾さんが天才なのは、アスペルガーだからだと思いました。
この記事へのコメント
同じ事を感じていた人がいて安心しました。
私も萩尾望都の漫画を小学生の時からずっと今日まで読んできました。
今回の自伝を読んだ時に、なぜか、違和感を感じたんですが、たまたまユーチューブで生の萩尾さんへのインタビュー動画(昔のTV番組から抜粋されたもの)が数本アップされていたのを見つけまして、その話す内容、話し方、あと視線の合わせ方からアスペルガーでほぼ間違いないだろうなと思いました。
そう考えると、自伝の内容もなぜ大泉時代竹宮さんと上手くいかなくなったのか、すべて合点がいきます。だって竹宮さんは確かにすごい創作家ですが、普通の人ですもの。それを努力であそこまでになった。
萩尾さんが天才なのは、アスペルガーだからだと思いました。
Re:コメントありがとうございます
映画「レインマン」でサヴァン症候群について徐々に知られるようになってきましたが、当時は、まさか萩尾先生と結びつけて考える事など出来ませんでした。TV番組等でお見かけする萩尾先生、アシスタントに伺って実際にお目にかかった萩尾先生は、とても親切で穏やかな方ながら、どこか仙人のような、少し遠い存在でした。コミュニケーションの難しさは誰しもが感じるものですが、いつもにこやかな萩尾先生の表情からは、萩尾先生が深く悩んでおられる事など、到底見抜けませんでした。竹宮先生はより近い立場で関わっておられたので、理解し合えない哀しみも強かっただろうと想像します。萩尾先生のご著書「大泉〜」だけからは、(萩尾先生って...ちょっと嫌な人?)と思われてしまう方もおられるかもしれませんよね。そこに、アスペルガー症候群の方々の生きる苦しさがあるのでしょう。この事に気付くのに長い年月を要しましたが、僅かながらも、萩尾先生とその作品群への理解に一歩近づけて良かったと思います。/旅行のドタバタで返信が遅れてごめんなさい。拙いブログを読んでくださってありがとうございます。
2022/11/15(火) 19:28 | たまいまきこ
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