遥か昔に描いた横溝作品「檻の中の女」が5月17日ぶんか社から発売予定の
月刊「波瀾万丈の女たち」に再録されることになりました。
色々あって、一度は再録をお断りしたのですが、
改めてお話をいただき、GOサインを出しました。
再録なので、そんなに難しく考える事も無いのかもしれませんが、
雑誌の方向性、編集部の態勢、担当者の姿勢、等々、
それらが何を意味するか、何をもたらすか、考えなければなりませんでした。
私個人の意見ではありましたが、
マンガ家一人一人が現場できちんと意見をしていかなければ、
正当な権利、処遇は受けられなくなるのです。
編集部に意見すれば、反感をかって仕事を切られる事はしばしばで、
それが怖くて言い渋り、挙げ句に友人にダラダラと愚痴をこぼす、
そんなみっともない事ばかりしていたら、何の進歩もありません。
そう言う人が作家だと言えるのかも疑問です。
時には我が身を切る覚悟で立ち向かうのが、権利を主張する、と言う事です。
さてさて、とりあえず再録となりました。
以前、同社の別の編集部から再録のお話があって、
結局その企画はボツになってしまったのですが、
半ば決まりかけていたので、原稿を編集部にまとめて送っていました。
なので、原稿は会社で保管されている筈なのですが、
今回の担当編集者は、会社には無い、と言う。
そんな筈は無いと思いつつも自宅を調べてみたけど、やっぱりウチには無い。
どうなってるんだ!?
たかがマンガ原稿と思われるかもしれませんが、
原稿は作家にとって我が子同然。
ましてや、小説と違ってマンガは復元出来ません。
紛失されたらそれで終わり。
横溝作品の複数タイトルを預けてあったので、
もしそれらが全部紛失されてしまったとなると、私のショックは計り知れない。
この状態では目の前の原稿に集中出来ないし、まともに眠れない。
急ぎ編集さんにメールしたのだけど、それでは不安で、
少し時間をおいて電話してみたら、改めて保管庫を調べに行かれた。
そうしたら、今保管庫の整理中でリストが整っていない状態で、
原稿はちゃんとあった、と言う事でした。
...こんな調子です。
原稿を以前送っていた事は前にその編集さんに伝えてあったんで、
ちゃんと調べてからこっちに話をしてくれないと困るよね。
原稿があったと返信メールで知らされてホッとはしたものの、
おいおい、メールだけかよ。
一般的社会人ならメールだけじゃなくて電話を1本入れるのが常識。
基本、そっちのミスでマンガ家に迷惑かけたんだからね。
今の仕事を中断して原稿探すのも手間だったし、見つからなくて焦ったし。
マンガ家にとって原稿の紛失がどれほど恐ろしい事か、理解してない。
原稿に対する感覚がマンガ家とはかなりズレがあるのかなぁと思うと
いささか不安が募る。