フランスの青春ドラマ映画。
およそ10年後にアメリカでリメイクされた「コーダ あいのうた」は
2022年アカデミー賞作品賞、脚色賞、助演男優賞に輝いた。
...ところが、
元の「エール!」はWikiの記事すら無い。
フランスの田舎町で酪農で生計を立てている4人家族のベリエ家。
女子高生ポーラは健常者だが、両親と弟は聴覚障害者。
一家の仕事や日常生活の中で、ポーラが常に手話の同時通訳を担っている。
同級生のイケメン、ガブリエルに恋したポーラは、
歌手を目指すガブリエルがコーラス部に入部した為、後を追って入部。
顧問のトマソンはポーラの声を聴くなり、才能を感じ取り、
レッスンを受けるよう勧める。
戸惑いながらも次第に歌に熱中するポーラに、トマソンは更に、
コンクールに応募して、パリの音楽学校を目指すよう促す。
その頃、父親のロドルフは、町の開発に抗議して、町長選挙出馬を決意する。
両親はポーラが町長選挙や今後の酪農の仕事も手伝ってくれると期待しており、
ポーラが音楽学校入学を希望している事に反対の色を隠せない。
また、お目当のガブリエルが、変声期の為にコンクールを諦めようとしていて、
気落ちしたポーラは音楽学校進学を躊躇し始める。
しかし、トマソンの説得もあり、
気持ちを取り直したガブリエルと共に両親も快く応援してくれて、
コンクールで見事優勝し、パリに旅立つ。
爽やかな青春ストーリー。
気取らず、障害に関する社会派めいた押し付けがましさも無いのが良い。
(続く。)
およそ10年後にアメリカでリメイクされた「コーダ あいのうた」は
2022年アカデミー賞作品賞、脚色賞、助演男優賞に輝いた。
...ところが、
元の「エール!」はWikiの記事すら無い。
フランスの田舎町で酪農で生計を立てている4人家族のベリエ家。
女子高生ポーラは健常者だが、両親と弟は聴覚障害者。
一家の仕事や日常生活の中で、ポーラが常に手話の同時通訳を担っている。
同級生のイケメン、ガブリエルに恋したポーラは、
歌手を目指すガブリエルがコーラス部に入部した為、後を追って入部。
顧問のトマソンはポーラの声を聴くなり、才能を感じ取り、
レッスンを受けるよう勧める。
戸惑いながらも次第に歌に熱中するポーラに、トマソンは更に、
コンクールに応募して、パリの音楽学校を目指すよう促す。
その頃、父親のロドルフは、町の開発に抗議して、町長選挙出馬を決意する。
両親はポーラが町長選挙や今後の酪農の仕事も手伝ってくれると期待しており、
ポーラが音楽学校入学を希望している事に反対の色を隠せない。
また、お目当のガブリエルが、変声期の為にコンクールを諦めようとしていて、
気落ちしたポーラは音楽学校進学を躊躇し始める。
しかし、トマソンの説得もあり、
気持ちを取り直したガブリエルと共に両親も快く応援してくれて、
コンクールで見事優勝し、パリに旅立つ。
爽やかな青春ストーリー。
気取らず、障害に関する社会派めいた押し付けがましさも無いのが良い。
(続く。)
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フィギュアスケート日本男子トップの一角を長らく担って来た宇野昌磨選手が、
自身のインスタグラムで引退を表明。
何故今月の発表なのかと思えば青天の霹靂ではあるけれど、
年齢的に次の冬季五輪は難しく、世界選手権の結果も踏まえての決断だったのだろう。
類稀な才能の持ち主でありながら、
すぐ上の先輩に、羽生結弦という、歴史的スケーターがいた為に、
宇野選手はシルバーメダル・コレクターの位置に甘んじて来た。
スラリとした羽生選手に対して、
ややずんぐり体型の宇野選手は、不利な面も感じていただろう。
羽生選手引退後に、日本男子の空白期間を作らず、次の世代へバトンを渡した。
素晴らしいスケーティングをありがとう。
自身のインスタグラムで引退を表明。
何故今月の発表なのかと思えば青天の霹靂ではあるけれど、
年齢的に次の冬季五輪は難しく、世界選手権の結果も踏まえての決断だったのだろう。
類稀な才能の持ち主でありながら、
すぐ上の先輩に、羽生結弦という、歴史的スケーターがいた為に、
宇野選手はシルバーメダル・コレクターの位置に甘んじて来た。
スラリとした羽生選手に対して、
ややずんぐり体型の宇野選手は、不利な面も感じていただろう。
羽生選手引退後に、日本男子の空白期間を作らず、次の世代へバトンを渡した。
素晴らしいスケーティングをありがとう。
出来れば、もっと専門家の意見を聞いてみたいんだけど、
適切なサイトを探すのに時間がかかりそう。
女の子にエールを送る映画、と、簡単に言ってしまえれば楽なのだけど、
重層的なアイロニーも感じる。
バービー人形は、女の子達を保守的な主婦像から解放し、
時代に合わせて様々な改革もして来た。
大統領や最高裁判事、ノーベル賞作家等々、リーダー的役割の職業、
人種、体型、障がい、ジェンダー等々、典型例と異なる外見にも踏み出した。
バービー人形は社会的に女性の立場を引き上げる取り組みをしていたが、
それでも、典型的な美女のバービー人形だけがロールモデルとされ、
サーシャのような、若い改革派の女性達から非難される。
現実の女性達こそが、一歩を踏み出せなかったのか、
バービー人形のメッセージ性に不備があったのか。
バービーランドでは、確かにリーダー的バービーが大勢存在するが、
夢の国バービーランドでは、ただ皆で楽しく歌い踊っているばかり。
リーダーとしての地位に中身が伴っていない。
それはまるで、女性に地位を与えても無意味だというようにも受け取れる。
一方、バービーの付属物的存在でしかない事に悩むケンもまた、
現実世界で男性の付属物となっている女性を
反転して象徴しているようにも見える。
女性目線から、ケンを笑う事は出来ない。
童話のピノキオのように、ラストでバービーは人間になった、
生殖器を備えて。
しかしそれは、バービーから不老不死と永遠の美を奪うものでもあり、
未だ男性優位の社会にあっては、多くの困難をもたらすものでもあり、
場合によっては、確立を願う自己を犠牲にしなければならないものでもある。
この世は矛盾に満ちている。
人間である事の象徴としての生殖器なのか。
ふと思えば、
我が身のみならず、
自己の確立を目標に定め、結婚や出産から遠のいた人生を送る女性も増えた。
結婚や出産を希望しなかったわけではないが、
生殖への参加は果たしていない。
それはむしろ、バービーランドに近づいたのだろうか。
自己の確立と生殖とを両立させるのがあるべき姿であるが、
理想はしばしば裏切られる。
誰もが戦いを避けて通れない。
今作は2023年の最大のヒット作でありながら、アカデミー賞では冷遇された。
コメディの皮を被った、女性の人権宣言という、
読み取りの難しさが混乱を巻き起こす。
適切なサイトを探すのに時間がかかりそう。
女の子にエールを送る映画、と、簡単に言ってしまえれば楽なのだけど、
重層的なアイロニーも感じる。
バービー人形は、女の子達を保守的な主婦像から解放し、
時代に合わせて様々な改革もして来た。
大統領や最高裁判事、ノーベル賞作家等々、リーダー的役割の職業、
人種、体型、障がい、ジェンダー等々、典型例と異なる外見にも踏み出した。
バービー人形は社会的に女性の立場を引き上げる取り組みをしていたが、
それでも、典型的な美女のバービー人形だけがロールモデルとされ、
サーシャのような、若い改革派の女性達から非難される。
現実の女性達こそが、一歩を踏み出せなかったのか、
バービー人形のメッセージ性に不備があったのか。
バービーランドでは、確かにリーダー的バービーが大勢存在するが、
夢の国バービーランドでは、ただ皆で楽しく歌い踊っているばかり。
リーダーとしての地位に中身が伴っていない。
それはまるで、女性に地位を与えても無意味だというようにも受け取れる。
一方、バービーの付属物的存在でしかない事に悩むケンもまた、
現実世界で男性の付属物となっている女性を
反転して象徴しているようにも見える。
女性目線から、ケンを笑う事は出来ない。
童話のピノキオのように、ラストでバービーは人間になった、
生殖器を備えて。
しかしそれは、バービーから不老不死と永遠の美を奪うものでもあり、
未だ男性優位の社会にあっては、多くの困難をもたらすものでもあり、
場合によっては、確立を願う自己を犠牲にしなければならないものでもある。
この世は矛盾に満ちている。
人間である事の象徴としての生殖器なのか。
ふと思えば、
我が身のみならず、
自己の確立を目標に定め、結婚や出産から遠のいた人生を送る女性も増えた。
結婚や出産を希望しなかったわけではないが、
生殖への参加は果たしていない。
それはむしろ、バービーランドに近づいたのだろうか。
自己の確立と生殖とを両立させるのがあるべき姿であるが、
理想はしばしば裏切られる。
誰もが戦いを避けて通れない。
今作は2023年の最大のヒット作でありながら、アカデミー賞では冷遇された。
コメディの皮を被った、女性の人権宣言という、
読み取りの難しさが混乱を巻き起こす。
2023年の話題作。
人形のバービーは、様々な種類のバービーやケン達と、
バービーランドで日々変わりなく楽しく過ごしていた。
しかし、ある日不意に死の概念に囚われると、
完璧だった身体にも、劣化の予兆が見られるようになってしまった。
人間界でスポイルされて汚れたバービーに相談すると、
バービー人形の持ち主を探して、その子と共に問題解決するよう促される。
バービーに思いを寄せるケンも付いて来た。
バービー人形の制作会社マテル社に行って、持ち主の女の子サーシャを見つける。
サーシャの母親グロリアの不安や苦しみが人形に反映されていたのだった。
ティーンエイジャーになったサーシャはバービー人形遊びにすっかり飽きていた。
バービーは、典型的なバービーの容姿が現実の女の子達を苦しめて来たと教えられ、
ショックを受ける。
実際の人間の世界は、バービーランドと真逆で、男性優位。
バービーに袖にされ続けて悩んだケンは、
男性性を誇示する事で力を得ようと考え、バービーランドを作り変えてしまう。
感化されたバービー達は、これまで培って来た誇り高い仕事を手放し、
従属的な立場に甘んじるようになる。
バービーとグロリアとサーシャは、バービーランドを立て直すべく戦う。
グロリアが女性の自立した生き方の重要性について語ると、
共感したバービー達は元の自分を取り戻し、バービーランドも復活する。
バービーは、バービーの考案者ルース・ハンドラーの魂と出会い、
人間として生きる決意をする。
バーバラ・ハンドラーと名乗り、婦人科を受診する。
まず、映画のイントロが「2001年宇宙の旅」のパロディで、めちゃウケる。
冒頭で、バービー人形は、女の子達を将来的な典型的専業主婦像から
解放する役目を果たした筈で、
バービーランドでは女性達の社会進出が進んでいた。
しかし、現実は...。
単純に、ガールパワー最高!とか、
女性も頑張れば地位を築けるとかっていうものではなく、
今作には様々な、反転した皮肉も込められているように見える。
(続く。)
人形のバービーは、様々な種類のバービーやケン達と、
バービーランドで日々変わりなく楽しく過ごしていた。
しかし、ある日不意に死の概念に囚われると、
完璧だった身体にも、劣化の予兆が見られるようになってしまった。
人間界でスポイルされて汚れたバービーに相談すると、
バービー人形の持ち主を探して、その子と共に問題解決するよう促される。
バービーに思いを寄せるケンも付いて来た。
バービー人形の制作会社マテル社に行って、持ち主の女の子サーシャを見つける。
サーシャの母親グロリアの不安や苦しみが人形に反映されていたのだった。
ティーンエイジャーになったサーシャはバービー人形遊びにすっかり飽きていた。
バービーは、典型的なバービーの容姿が現実の女の子達を苦しめて来たと教えられ、
ショックを受ける。
実際の人間の世界は、バービーランドと真逆で、男性優位。
バービーに袖にされ続けて悩んだケンは、
男性性を誇示する事で力を得ようと考え、バービーランドを作り変えてしまう。
感化されたバービー達は、これまで培って来た誇り高い仕事を手放し、
従属的な立場に甘んじるようになる。
バービーとグロリアとサーシャは、バービーランドを立て直すべく戦う。
グロリアが女性の自立した生き方の重要性について語ると、
共感したバービー達は元の自分を取り戻し、バービーランドも復活する。
バービーは、バービーの考案者ルース・ハンドラーの魂と出会い、
人間として生きる決意をする。
バーバラ・ハンドラーと名乗り、婦人科を受診する。
まず、映画のイントロが「2001年宇宙の旅」のパロディで、めちゃウケる。
冒頭で、バービー人形は、女の子達を将来的な典型的専業主婦像から
解放する役目を果たした筈で、
バービーランドでは女性達の社会進出が進んでいた。
しかし、現実は...。
単純に、ガールパワー最高!とか、
女性も頑張れば地位を築けるとかっていうものではなく、
今作には様々な、反転した皮肉も込められているように見える。
(続く。)
GWは昨日で終わりだと思っていたら、
今日は振替休日なのね。
ちょっと拍子抜け。
今日は振替休日なのね。
ちょっと拍子抜け。