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マンガ家Mの日常

言い古された表現だけど、未だに適切。

クラシック音楽界は権威に胡座をかいている。

書道界でも賞を獲る為に上納金を支払ったりと、
ピラミッド構造が明らかにされて、古い悪弊が暴露されて来ている。
古典的純粋芸術は何故腐敗するのか?

美大生当時、ピアノ科の同級生から聞いた話。
学生がレッスンに行くと、教授がハラリと1枚の紙を落とす。
...猿芝居の始まりである。
学生は十分承知しているけれど、乗らない訳にはいかない。

紙を拾うと、それは教授のピアノコンサートのチラシ。
学生は今気付いたフリをして「是非チケット買わせて下さい!」...。

おそらく学生はチケット1枚だけって訳にはいかない。
友人や親戚の分も合わせて何枚か買う羽目になる。
自腹で購入したチケットを知人に只で配る。
チケットをもらった人達は行ったり行かなかったり。
付き合いで、さして興味の無い退屈なコンサートに足を運んだりする。
キーシンだ、ブーニンだ、と、有名どころのコンサートならまだしもさ。

教授達のご立派なピアノコンサートはこうして収益をあげているのだった。

何ともはやね。


音楽業界全体では、クラシックの人達が金に汚いと言うのは定説になってる。
元がパトロンありきの贅沢品だから?
ヴァイオリニストなんて、自分が弾く楽器だって借り物だったりする訳でしょ。
商売道具を自身で調達出来ないって、それでどうやって仕事すんのさ?
自分の商売道具が買えない程度の稼ぎで、どうしてプロって言えるの?
パトロンは金だけ出して、自分が芸術的に高みにいるように錯覚する。
芸術家を囲う優越感。


今のようなストーリーマンガが始まったのは手塚治虫先生以後だから
マンガの歴史はまだ数十年。
内容もエンターテインメントが主体なので、
今尚サブカルチャーとして位置づけられている。
それは良いんだけどね。

サブカルチャーに対してのハイカルチャー。
「high/高い」だと? 
こっちは「sub/下」か、おい。
古典だの伝統だの、クラシックだの純粋芸術だのと言う人達は
サブカルチャーをあからさまにバカにしてかかっている。
え、何の違いがあるって言うのさ?


マンガやポップミュージックの場合、クラシカルな勉強の要素は大事で、
その技術があると無しとでは確かに違って来る。
それなりにクラシックの恩恵を受けている事は認める。
でもそれ以上に、大衆文化として頒布し、公正な収益を上げる為の努力を
日々積み重ねてここまで来ている。

金を稼げなきゃ、それは素人だ。

(続く。)


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