忍者ブログ
マンガ家Mの日常
ネタバレ注意。



エストニアのサスペンスドラマのミニシリーズ、全8話。
エストニアという国そのものの予備知識があまりにも乏しい。


海運業で財を成した実業家オット・ミュラーは、
65歳の誕生日を祝う為に、邸宅に家族を集結させた。
その晩、何者かに銃殺される。
ベテラン刑事ガブリエルと、新人刑事アグネスが事情聴取すると、
家族の歪んだ愛憎劇が浮き上がって来た。

その場にいた家族8人が、1話ずつ順を追って事情聴取される形で展開する。



次男オリヴェル
バイオリニストを志していたが、父親オットの暴力で肩を負傷し、断念。
工場で細々と働き、生計を立てている。
オットの遺体の側で銃を持っていた為、第一容疑者と見なされるが、
銃は、殺害に使われた銃とは別物と判明。

長男オスカル
オットの元で働いて来たが、オットからは落ちこぼれと蔑まれている。

マルレーン(オットの若い愛人)
オットは彼女を多額の生命保険金の受取人に指定していた。
実は、彼女の祖父はかつてオットの仕事のパートナーで、
オットによって殺害されたらしい。

妻メルレ
名家の出身。
若い頃、粗野でイケメンだったオットに一目惚れして結婚したが、
オットの粗暴なふるまいや浮気癖に悩まされ続けて来た。

アンネケン(長男オスカルの妻)
極貧の出身で、邸宅の家事全般を自ら進んで行っている。
夫のオスカルを溺愛していて、
オスカルが会社を継げるよう、オットの毒殺を試みるが失敗。

モニカ(次男オリヴェルの2番目の妻)
若い頃、オットにレイプされ、妊娠し、
中絶手術の失敗で、子供を産めない身体になってしまった。
オットはモニカをオリヴェルにあてがい、時々金を渡していた。

レーリ(次男オリヴェルの最初の妻)
若い頃、バイアスロンの名選手で、
競技団体に支援していたオットから性的な嫌がらせを時たま受けていた。
妊娠をきっかけに、生まれてくる子供をオットの悪影響から遠ざけようと、
姿を消し、1人で息子ロベルトを育てている。
自分がオットを撃ったと自白するが、嘘だと見破られる。

ロベルト(次男オリヴェルの息子)
祖父オットが裕福であると知り、自分の権利を主張。


謎解きミステリーというより、
一族の愛憎劇を描いた。
刑事ガブリエルは、妻メルレが犯人と断定するのだけど、
実は、大ハズレ。
ロベルトが友人マルレーンとモニカと組んで、オット殺害計画を立てて実行。
大体が、犯行に使われた銃はなんとか発見されるものの、
物証として犯人特定の決め手も何も無く、自供頼み。
こんなんでは、起訴しても負ける。

で、ガブリエルの父親はオットの会社の労組の組合長で、解雇されていた。
アグネスの父親は、弁護士で、オットの親友。
こんな状態で捜査にあたって良い筈がない。
で、それらの設定が生かされた形も無い。
で、アグネスは何故かロベルトに告白を聞かされて毒殺される。
ロベルトは殺すつもりは無いと言っていたようだったけど、
最後にアグネスの車の中で助手席に見えた影は死神?

ところどころ、はっきり収まっていない設定が散見される。

各自の自供だって、全員、人日を語っているかどうかさえ不明。

アメリカ的な定番のサスペンスを期待していると、モヤモヤ感が残る。
家族の愛憎劇に注視するのが良いのね。
自供でドラマが組み立てられている状態は、舞台劇のよう。
もしかすると、舞台劇の土壌が深い国なのかも。

ネットで感想の記事を見ると、
アガサ・クリスティ的な作りだとの評もあり。
終盤、ガブリエルが邸宅の居間に全員を集めて、
自らの推理を披露して、犯人を名指しする辺り、
往年の探偵ものっぽい。



PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック