短めの映画を見る。７６分。
２時間超える映画は見るのに踏ん切りが要る。

「メグレ警視」シリーズで有名なジョルジュ・シムノン原作のサスペンス。
...なんだけど、サスペンスというより、大人の恋愛映画。


アラフォー男ジュリアンは妻子持ちだが、
高校時代にお互い気があったデルフィーヌと偶然再会し、ダブル不倫にはまる。
デルフィーヌは「運命を感じた。」と言い、再婚を持ちかけるが、
果たしてジュリアンはそこまでは思い切れない。

デルフィーヌは薬局を経営している夫がいるが、病気を抱えていて
長くないとされていた。
ある日、夫が急死。
ジュリアンは手紙でデルフィーヌから「次はあなたの番。」と迫られる。

間も無くジュリアンの妻エステルが、愛用のジャムに入った毒物で死んでしまう。

殺人罪で起訴されたジュリアンとデルフィーヌ。
取り調べ中ジュリアンは後悔し、デルフィーヌに怒りを覚えるが、
裁判に入って、尚も運命の愛を信じるデルフィーヌに深い愛を感じる。


不倫関係の様子と、起訴されてからの様子がカットバックで描かれる。
こいつもか、勘弁してくれ。
薄い内容をなんとかスリリングに見せる為にやってるのかな。

結婚１０年が過ぎたような夫婦って、マンネリしちゃってるし、
ジュリアンは妻の嫌味っぽい言い方にカチンと来たりしてる。
でも、その程度で殺すって事も無いでしょ。
お金が惜しくて離婚や駆け落ちに踏ん切れなかった？
ジャムに毒が仕込まれた経緯が分からないんだけど、
ジュリアンがやったんだとしたら、それだけの覚悟を一度は持った訳で、
だったら、思い切らなきゃさ。
デルフィーヌからプレッシャーをかけられた被害者的雰囲気でいるのが嫌な感じ。

必要な情報がすべて描かれている訳では無いので、分からない部分も多いけど、
大体、この程度の材料で焦って起訴しちゃったら、
証拠不十分で無罪になるだけでしょ。
でも、二人とも終身刑だって。
終身刑の判決が出て、デルフィーヌが
「ずっとあなたと一緒にいる事になるって言ったでしょう。」と言うのを聞いて
ジュリアンは愛情を確信する訳なんだけど、
そんなの、ストーカーっぽくて怖いだけじゃん。

デルフィーヌには子供がおらず、夫は病弱で長くないとされている。
一方、ジュリアンには若くて健康な美人妻と１０歳にならない娘がいる。
ジュリアンの方が失うものが大きい。
当然不倫のテンションにも温度差がある。
そうじゃなくたって、男なんてあてにならん。

不倫は慎重にやりましょう。