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マンガ家Mの日常
美女ニコール・キッドマン主演のサスペンス映画、と思いきや、
不条理劇的な不可解な映画でした。
舞台がオーストラリアの砂漠地帯なので、安部公房原作の「砂の女」を連想した。


荒野に囲まれた辺鄙な町に越して来て間も無いクーパー家。
家族関係はギクシャクしている。
引っ越しは、性的に早熟な娘リリーが妻子持ちの教師と関係を持ち、
父親のマシューが教師に暴力を振るったのが原因だった。
リリーは今度の町に来てからも既に複数の男性と関係を持っている。

弟のトミーは深夜に外出する癖があった。
ある夜部屋を抜け出したトミーを追いかけるようにリリーも出て行った。
マシューは気づいたが、うんざりしたように窓から見送るだけだった。

翌朝になっても二人が戻らない。
母親のキャサリンは警察に捜索を願い出る。
すると、二人が学校に行っていなかった事や、
リリーが関係を持った男性についても分かって来た。
しかし、行方の見当はつかない。
近所のアボリジニの少年とその祖母から、虹蛇の神話について聞かされる。
人が失踪する土地だと言われている。

手がかりを得ようとキャサリンがリリーの日記を見ると、
男性関係についての他に、両親の不仲にも触れられていた。
不安と相まってキャサリンの内側の性的な感覚が崩れ始め、夫に不意に迫ったり、
キャサリンに気があるらしい警察官のレイにキスしたりしてしまう。

マシューが単独で捜索して、荒野で倒れているトミーを発見。
脱水症状でショック状態なのか、リリーについて尋ねても何も話そうとしない。
やっと父親に、リリーは暗闇の中、車に乗り込んだとだけ伝える。

キャサリンはリリーを探して荒野に出向く。
翌日、我を失ったキャサリンが全裸でふらふらと歩いて町に戻る。
何があったのか?リリーの行方は?
全ては謎のまま終わる。


正直、何だか全く分からない。
オーストラリアの不条理な失踪劇という点で、
ピーター・ウィアー監督の「ピクニックatハンギング・ロック」を思い出した。
こちらは実際にあった事件に基づく映画だけど。

アボリジニの神話に由来する部分は知識が無いので分からない。
虹蛇という単語が出て来たところで、荒野をうねる川が俯瞰で映される。
こうした大きな川の氾濫などに関連するのだろうか。
また、例えば、土地に磁場があって方向感覚が狂い、失踪してしまうのかも?

他の方のレビュー等を見てみると、やはりアボリジニの神話が根底にあるようで、
感覚としてそれを理解していなければ、作品についても理解しきれないのだろう。
アボリジニの夢の世界と現実の世界の交錯については
ずっと前に本で読んだ事があったけど、実感としては何も掴めなかった。

一般的な鑑賞者には不可解なままだけど、
その国独自の文化を象徴する作品があっても良いのだろう。







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