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マンガ家Mの日常
年末に飛び込んだニュース。
松の内は、ブログで訃報を書くのは避けました。


日本のドラマや映画について、あまり熱心な視聴者ではないのだけど、
根津甚八の主だった作品は記憶が深い。

NHKのドラマシリーズ「男たちの旅路」でのゲスト出演。
彗星の如くスターダムに現れたシンガーソングライターの役。
ミサコという女性について歌った歌が大ヒット。
でもそれは、元は「墓場の島」というタイトルで、
亡くなった祖母についての追悼の歌だった。
ヒットを狙うプロデューサーの指示で、
タイトルもモデルの女性も変更させられてしまった。
日々のコンサートで歌いながらも、寂寥感、虚無感が彼の心を襲う。

映画「さらば愛しき大地」の主役、大型トラックのドライバー。
愛人が出来た事で余分なお金が必要になり、勤務を増やす。
長時間運転に耐える為に覚せい剤に手を出してしまう。
同じように覚せい剤にはまってしまった友人の運転手は正気を失っていく。
結末等、大部分は忘れてしまった。
この映画では、美しさの盛りの根津甚八よりも、
覚せい剤の影響で狂っていく蟹江敬三の演技が強烈だった。


訃報が発表されてから、昔の「徹子の部屋」の映像が流れたりして、見ると、
役柄の印象よりも、素の根津甚八は随分繊細な様子が見て取れる。

とはいえ、画面から伝わる骨太さ、ニヒルな眼光に、重厚さを感じる。

近年、あっさりしてスマートなイケメン俳優ばかりがデビューして、
正直見分けがつかないし、生の性的な魅力も見えて来ない。

緒方拳や根津甚八のような、濃い野性と土性骨を感じさせる俳優は、
平成の時代には現れないんだろうか。
緒方拳の息子の緒方直人も、育ちの良さが先に立つ。
ただ、発声が良く、台詞回しが上手い。
何かもう一つ削ぎ落とされれば、太さのある俳優になっていくだろう。
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