まだBRではなく、DVDですらなかった頃、
ビデオテープに録画し貯めていた映画がたくさん残ってしまっている。
多分テープは劣化してるだろうし、
そうでなかったとしても、3倍速の画質では今時の大画面で観るにはツライ。
まとめて捨てようと思ったのだけど、
気になる映画もあって、つい躊躇してしまった。
その中に今作もあった筈。
幸いな事に最近再放送されたので、改めて録画して見ることができた。
「シックス・センス」のマイケル・ナイト・シャマランの監督、脚本。
19世紀末、人里離れた小さな村で、
人々は外界から隔絶された素朴な生活を送っていた。
村を取り囲む森には化け物がいて、
村人は化け物と協定を結んで、互いに行き来しないようにしている。
ところが、化け物は深夜に不意に村に現れ、小さな家畜を襲ったり、
住居のドアに不吉な印を付けたりしている。
盲目の少女アイヴィーが、ルシアスという青年と恋仲になった。
アイヴィーを慕っていた知的障がいのある青年ノアが、
嫉妬からルシアスをナイフで刺して大怪我を負わせてしまう。
アイヴィーはルシアスの命を救う為、
村を出て、町に薬を求めに行く決意をする。
...こういう話の場合、
種明かしされると、映画を見る意味が殆ど無くなっちゃうんだけど...。
実は、家族を悲惨な事件で亡くした者達がカウンセリングの場で結束して、
無垢な生活が出来るように、あえて実社会と断絶した村を作ったのだった。
化け物の話は、村の若い子達が外に出ないようにする為の作り話。
村の墓石には19世紀末の年号を記していたが、実際は現代。
アイヴィーの父親はルシアスを救うべく、アイヴィーに種明かしをする。
アイヴィーは森を抜けて道路に出るが、そこで出会ったのは
国立公園の監視員だった。
村は公園の奥深くに位置し、外の人間に見つけられないよう、
上空の飛行機の航空なども制限するよう、大金が支払われていた。
アイヴィーは監視員から薬をもらい、無事村に帰る。
...まぁね、ちょっと無理がある話ではあるよね。
数家族で村を作り上げて、2、3世代は良いだろうけど、
すぐに近親婚になっちゃって、生育が悪くなる。
アーミッシュのような設定の村なんだけど、
実際、アーミッシュの村でも既に近親婚が問題視されている。
それに、今回は刺し傷だったけど、
もっと高度な医療が必要とされる病気だったりしたら、どうするんだろう。
村を作った年長者達は当然村の実態を知っていた訳だけど、
その後の世代は完全に年長者達の作り話を信じきっていた。
ところがその中で、知的障がいのある青年ノアだけが、
偶然化け物の衣装を見つけてしまった事もあって、
このバカバカしい作り話に気づいて、村人をからかうかのように
家畜の死骸やドアの印等を仕掛けていた。
この皮肉は寓話的。
盲目の少女アイヴィーが唯一村を出てルシアスを救う事や、
誰も座っていない揺り椅子がちょくちょく画面に出てきたりとか、
敢えて人の顔がわかり難いような撮影の仕方だったりとか、
製作者側の様々な仕掛けはある。
ただ、鑑賞者がその意図を汲み取るのは難しい。
話の設定自体は、何だかなぁ〜って感じなのだけど、
それがわかっていても、どの段階でどこまでの情報を伝えるか、
そのバランスが非常に良かった。
構成力が優れている。
このバランスを間違えたら、本当にただのバカバカしい話になりかねなかった。
映画を見る時、これがマンガだったら企画が通るかどうか、つい考えてしまう。
これほどの構成力を発揮出来れば良いのだけど、
プロットの段階で鼻で笑う編集者も多いだろう。
この企画はまず通らない。
ビデオテープに録画し貯めていた映画がたくさん残ってしまっている。
多分テープは劣化してるだろうし、
そうでなかったとしても、3倍速の画質では今時の大画面で観るにはツライ。
まとめて捨てようと思ったのだけど、
気になる映画もあって、つい躊躇してしまった。
その中に今作もあった筈。
幸いな事に最近再放送されたので、改めて録画して見ることができた。
「シックス・センス」のマイケル・ナイト・シャマランの監督、脚本。
19世紀末、人里離れた小さな村で、
人々は外界から隔絶された素朴な生活を送っていた。
村を取り囲む森には化け物がいて、
村人は化け物と協定を結んで、互いに行き来しないようにしている。
ところが、化け物は深夜に不意に村に現れ、小さな家畜を襲ったり、
住居のドアに不吉な印を付けたりしている。
盲目の少女アイヴィーが、ルシアスという青年と恋仲になった。
アイヴィーを慕っていた知的障がいのある青年ノアが、
嫉妬からルシアスをナイフで刺して大怪我を負わせてしまう。
アイヴィーはルシアスの命を救う為、
村を出て、町に薬を求めに行く決意をする。
...こういう話の場合、
種明かしされると、映画を見る意味が殆ど無くなっちゃうんだけど...。
実は、家族を悲惨な事件で亡くした者達がカウンセリングの場で結束して、
無垢な生活が出来るように、あえて実社会と断絶した村を作ったのだった。
化け物の話は、村の若い子達が外に出ないようにする為の作り話。
村の墓石には19世紀末の年号を記していたが、実際は現代。
アイヴィーの父親はルシアスを救うべく、アイヴィーに種明かしをする。
アイヴィーは森を抜けて道路に出るが、そこで出会ったのは
国立公園の監視員だった。
村は公園の奥深くに位置し、外の人間に見つけられないよう、
上空の飛行機の航空なども制限するよう、大金が支払われていた。
アイヴィーは監視員から薬をもらい、無事村に帰る。
...まぁね、ちょっと無理がある話ではあるよね。
数家族で村を作り上げて、2、3世代は良いだろうけど、
すぐに近親婚になっちゃって、生育が悪くなる。
アーミッシュのような設定の村なんだけど、
実際、アーミッシュの村でも既に近親婚が問題視されている。
それに、今回は刺し傷だったけど、
もっと高度な医療が必要とされる病気だったりしたら、どうするんだろう。
村を作った年長者達は当然村の実態を知っていた訳だけど、
その後の世代は完全に年長者達の作り話を信じきっていた。
ところがその中で、知的障がいのある青年ノアだけが、
偶然化け物の衣装を見つけてしまった事もあって、
このバカバカしい作り話に気づいて、村人をからかうかのように
家畜の死骸やドアの印等を仕掛けていた。
この皮肉は寓話的。
盲目の少女アイヴィーが唯一村を出てルシアスを救う事や、
誰も座っていない揺り椅子がちょくちょく画面に出てきたりとか、
敢えて人の顔がわかり難いような撮影の仕方だったりとか、
製作者側の様々な仕掛けはある。
ただ、鑑賞者がその意図を汲み取るのは難しい。
話の設定自体は、何だかなぁ〜って感じなのだけど、
それがわかっていても、どの段階でどこまでの情報を伝えるか、
そのバランスが非常に良かった。
構成力が優れている。
このバランスを間違えたら、本当にただのバカバカしい話になりかねなかった。
映画を見る時、これがマンガだったら企画が通るかどうか、つい考えてしまう。
これほどの構成力を発揮出来れば良いのだけど、
プロットの段階で鼻で笑う編集者も多いだろう。
この企画はまず通らない。
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