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マンガ家Mの日常
中年男性がゲイポルノの映画を撮る、という、なにやら不穏な設定で、
面白そうだったので見てみたが、やや期待ハズレ。
イヴァン・アタルと「最強のふたり」のフランソワ・クリュゼの共演で
弾みがついたかに思われたんだけど。

子作りに励む中年夫婦ベンとアナの元へ、
深夜突然、ベンの美術学校時代の親友ジェフが訪れる。
堅気になったベンは、ジェフの自由人っぽいライフスタイルが羨ましく感じられる。
ジェフに誘われるがまま、ヒッピー風の仲間のパーティに行くと、
芸術やポルノの話題になり、ハンプというシアトルのポルノ映画祭に向けて
ベンとジェフとでストレートの友人男性同士のポルノ映画を撮ろう、
それが芸術だ、と話が盛り上がってしまった。
自分達は保守的な人間ではないと証明したくて、後に引けなくなった。

アナはそれを知らされて、ベンとの夫婦生活に不安を抱くが、
かつて自分もパーティの弾みで一夜限りの関係を楽しんだことがあったと告白し、
ベンに、子供を持つ前に、自分の生き方を十分模索してくれるよう告げる。

ベンとジェフはホテルの部屋を取って撮影に挑むが...。

結果を言っちゃうと、結局本番は出来なかったんだよね。
無理してキスまではしたんだけど。

ジェフはその直前、レズビアンカップルと3Pしようとした際に、
男役のリリーに模造ペニスを入れられそうになって、ビビって逃げちゃった。
この辺りで大体の様子は見えたのかもしれない。
とは言え、出来無いってなると、幕切れはあっけなかった。
ベンはアナとの夫婦関係を修復しにサッサと帰路に着く。

要は、中年の危機を感じつつ、打破出来なかった、って事ね。
まぁ、無理する事無いのかもね。

主演のイヴァン・アタルが監督と脚本も担当していて、この人は
リリー役のシャルロット・ゲンズブールと実生活での夫婦なんだそうだけど、
そのシャルロットにレズビアンの男役を演じさせて、
授乳シーン、搾乳シーン、そして3Pでは模造ペニスを装着させていじらせてた。
いやいや、映画人なんだね。

ベンとジェフが留置所に入れられたシーンで、
隣の房の黒人男性が「Paroles,Paroles」を歌うシーンがとても美しかった。
「パローレ、パローレ」っていうフレーズは聞いたことがあったのだけど、
どういう歌なのかは全く知らなかった。
つい最近見た別の映画でも使われていたので、余計に気になったのかもしれない。
どの映画だったかな。

「パローレ」っていうのは「言葉」って意味らしくって、
仲違いした男女の男の方が女性を引きとめようとしてるんだけど、
彼の上滑りした言葉は彼女の心には響かない、そんな感じの歌。
随分前に日本でも翻訳で歌われたらしい。だから聞き覚えがあったのかな。
ごつい中年のおっさん達が甘い失恋の歌を唄い上げるのが、
なんとも切なくて愛らしかった。フランス的?

この映画の中で良かったのは、この留置所のシーンと、
アナがかつての浮気を告白するシーンくらいかな。
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