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マンガ家Mの日常
欧州への旅行では、往復とも時差ボケが少なくて済むのだけど、
まだ夕方眠くなって仮眠してしまい、深夜にまとめて眠れずにいる。
明け方近くに、気分転換に映画を見る。
本当に鬱々とした気持ちを和らげてくれる映画があれば良いのだけど、
何を見てもどこかのパートで落ち込みそうで、見たい映画が見つからない。

とりあえず、コメディと思って手をつけたのだけど、
当てが外れて、ちょっと理屈っぽい映画だった。
ベン・スティラーはこのところ真面目な方向にばかり進んでいる。
オスカーでも狙っているのかな。

ところで、この邦題は英文法的にどうなってるのかな?
「ヤング・アダルト・イン・ニューヨーク」ではないのかな?


ジョシュとコーネリア夫婦は40代になるが、子供がいない。
2度の流産で精神的に傷ついていた。
子供を持つ友人夫婦と微妙にズレが生じていた。
ジョシュは記録映画作家だが、スランプで、8年もの間作品が完成しない。
コーネリアの父親レスリーは高名な記録映画作家で、ジョシュと折り合いが悪い。
レスリーは、若い頃のジョシュの才能を認めながらも、大成しないのは、
作家として非情になれないからだと感じている。

ある日、ジョシュが講義を受け持つ大学に、
ジェイミーとダービーという20代の若い夫婦が現れた。
ジェイミーもまた記録映画作家を目指していて、ジョシュに接近して来る。

若い二人の価値観や生活様式に触れて刺激を受ける。
ジョシュはジェイミーの映画製作の手伝いも申し出る。

しかし、ジョシュはジェイミーの不遜な態度に次第に嫌気が刺して来ていて、
同時に、作品は企画段階からやらせが多く仕込まれていた事に気づく。
また、ジェイミーが接近して来たのは、レスリーが本命だったのだと思い至る。

ジェイミーはコーネリアの父に気に入られ、授賞式にも招待される。
ジョシュアは式に乗り込んでジェイミーのやらせを暴くが、誰にも相手にされない。
記録映画であっても、何らかのやらせは常套手段なのだ。

ジョシュアはコーネリアと共に、自分達夫婦の生き方を見つめ直す。
大人子供から抜け出す時期が来ていた。
養子縁組が成立して、子供を引取る為にハイチ行きの飛行機に乗る。
ジェイミーに対しても、様々な作為的行為は若さゆえの成功主義と納得する。


世代間闘争を描いた物語。
ジョシュアもまた、若い頃は攻撃的な姿勢で作品にも人生にも取り組んでいたのか。
40代を超えた辺りで、仕事にも家庭生活にもマンネリをきたすのか。
とはいえ、夫妻に子供がいないのは、コーネリアの流産によるものであって、
それを持ってヤング・アダルトと見なしてしまうのには抵抗を覚える。
子供が何人いても、大人になりきれていない親も世の中には大勢いる。

ところどころ、理屈っぽかったり、エピソードが長かったりして、
見ていてややだらける。
BGMから、ウディ・アレン的なアプローチを狙っていたと思えなくもない。

ジェイミー役のアダム・ドライバーは、本作の役柄的にはややカリスマ性に欠ける。

この監督は「フランシス・ハ」を撮ったノア・バームバックだったのね。
なんか、納得。





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