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マンガ家Mの日常
英国のヒューマンコメディ映画。


1957年ロンドン。
ミセス・ハリスは家政婦として働き、慎ましく暮らしている。
出征した夫の帰還をひたすら待ち望んでいたが、遂に戦死の告知が届く。
友人達はハリスを励ますが、落ち込みは治らない。

ある時、仕事先の邸宅で夫人が購入したディオールのドレスに目がいく。
芸術品のように美しく華やかなドレスに心を奪われ、
デイオールでドレスを注文するという夢が心の支えとなる。
1着500ポンド(現在の日本円にして250〜400万円)を目標に、
コツコツとお金を貯め始める。
サッカーくじに当選したり、戦争未亡人給付金がまとめて入ったりして、
目標額を達成。
パリを目指す。

ディオールの店に着くと、マネージャーのマダム・コルベールは
ハリスの身なりを見て、追い返そうとする。
その日はコレクションの発表があり、
招待客の1人シャサーニュ侯爵がハリスを同伴者として中に入れてくれる。
ドレスは全て1点物で、一番気に入った赤いドレスを選ぶと、
意地悪なマダムに横取りされ、2番目にお気に入りの緑のドレスを注文する。
手付けを支払い、翌日から採寸、仮縫いを始める。
親切な若い会計士アンドレがアパートに泊めてくれる。

シャサーニュ侯爵はハリスをお茶に招いたり食事に連れて行ってくれたりする。
ハリスはほのかな恋心を抱くが、シャサーニュ公爵からは
幼い頃の寮母さんに似ていると言われ、あっさり失恋。
寝坊して仮縫いに遅刻して注文をキャンセルさせられそうになったりするが、
持ち前の行動力で状況を打破していく。
ディオール本人に直談判し、アンドレの提案を届けるのにも成功する。
アンドレとトップモデルのナターシャの恋の橋渡しにも成功。
ナターシャはモデルの仕事に嫌気がさしていて、大学進学に踏み切る。

ドレスが完成し、ロンドンの自宅に戻ると、
家政婦の仕事先の女優パメラが来ていて、
大物映画プロデューサーとの会食に着ていくドレスが無いと泣きつかれる。
ハリスは、自分では着ていく機会が無いと引っかかりを持っていた事もあり、
ドレスをパメラに貸し出す。
パメラはレストランの中の暖炉でドレスを大きく焦がしてしまう。
悪びれもせず、謝罪も弁償も無い。
夢が砕け散り、お金も底を突いたハリスは、再び激しく落ち込むが、
家政婦仲間のヴァイや、アーチーに支えられ、前向きな気持ちを取り戻す。
アーチーはずっとハリスに恋心を寄せていて、ダンスパーティーに誘う。

その時、ディオールから荷物が届く。
それは、ハリスが1番気に入っていた赤いドレスだった。
ドレスを横取りした夫人の夫の清掃業の会社が訴えられ、
夫人はドレスの代金を払えなくなりキャンセルした。
ディオールでハリスのサイズに合わせて補正し直し、
ブランド再建に一役買ってくれたハリスにプレゼントしてくれた。

赤いドレスを着こなし、パーティーでアーチーと踊る。


何となく、ちょっとわらしべ長者的な、夢のあるストーリー。
主演のレスリー・マンヴィルはどちらかといえばクセのあるタイプで、
とっつきが良いとは言えない。
ハリスが豪華なドレスに熱中するのも、虚栄心の強さが感じられる。
作品には原作小説があり、そちらはシリーズで3作程あるらしい。
小説用のがっちりしたキャラクターがあるのだろう。
ドッグレースですっちゃったお金をアーチーが挽回してくれるあたり、
調子良過ぎな感じも?
で、やっぱり、ディオールのオートクチュールドレスは、
地元のダンスパーティーレベルでは着て行けないよなぁ。

オートクチュール一点張りで微妙に経営が傾きかけていたディオールが、
アンドレの提案で、小物や香水等の販売にも乗り出し、回復。
そうした時代の波も描かれている。

レスリー・マンヴィル、私生活では、
ゲイリー・オールドマンの最初の妻だったんだって。
重たい夫婦だなぁ。
短期間で離婚。

マダム・コルベール役は、フランスの大女優イザベル・ユペール。
今作ではやや出番が少な目。
記憶が定かではないけど、少し前には別の映画で、
やっぱり一流ブランドのお針子のチーフの役を演じていたような。
フランスの女優さんとファッションは切り離せない。



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