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マンガ家Mの日常
ガス・ヴァン・サント監督、マット・デイモン主演の社会派映画。
TV用だったのかな?かなり低予算な面持ち。

大手エネルギー会社グローバル社はシェールガス採掘権の取得を進めており、
スティーヴは同僚のスーと共に地方の小さな町に赴き、
住民を説得して採掘権契約を獲得している。

町の農業は政府の補助金でやっと成り立っている有様で、
無学で貧しい住民達はスティーヴが提示する金儲けの話に飛びつく。
ところが、老教師が集会でシェールガス採掘の水圧破砕法の問題について語り出し、
同じ頃ダスティンという青年も町に現れ、環境保護団体の活動を始めた。
契約取得計画は暗礁に乗り上げる。

スティーヴはダスティンが示す採掘被害実態の書類を会社に送って調べさせる。
すると、それらの一部は捏造された物であるという事が発覚し、形勢逆転。

と、喜んだのも束の間、
ダスティンはグローバル社が送り込んだ偽活動家だった。
保護団体のマイナス面を強調し、会社を優位に立たせる策略だった。

スティーヴは自らも農村地域で育ち、町が寂れていく様に心を痛めていただけに、
グローバル社の仕事を町の住民の為に肯定的に考える面が大きかったのだが、
土地がもたらす被害について、自分達の卑怯な行いに気づき、
再度開かれた集会で、実態を告白する。


正義感の強い善人役が多いマット・デイモンが、今作では悪役からのスタート。
気取らず、垢抜けない雰囲気が可愛い。
大会社が貧しい地域の土地を汚染している実態を暴く、といったテーマの作品は
「エリン・ブロコビッチ」のような名作があるが、
今作は佳作小品といった感じで、感動のレベルは今ひとつ高くはない。

むしろ、発展から取り残された地方都市のプアホワイトの問題を描く方に
重心が置かれていたように見えなくもない。
採掘が進もうが進むまいが、貧しい農家の住民の生活はやがて破綻していく。

映画では、スティーヴが反省して目覚めたところで終わってしまい、
本当の問題は何一つ解決される訳でも無いので、やや物足りなさを覚える。
結局、誰にも解決出来る事では無いからかな。

ガス・ヴァン・サントだけに、情感のある映像で、しっとりした空気感がある。
音楽の使い方も上手い。

ちょこっと出ていたルーカス・ブラックは、かつての名子役。
そこそこおじさんになったもんです。

ハル・ホルブルックは後何本出演作を見られるのかな。
老けたら、アンジェラ・ランズベリーそっくりの顔になった。

フランシス・マクドーマンドは良い役所をしっかり演じていて、
おそらく他のブログ等、あちこちで褒められまくっているだろうから、
ここでは敢えてこれ以上は触れ無い。

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