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マンガ家Mの日常
潜水艦映画。

お洒落でスマートな印象のジュード・ロウが、タフな潜水艦の艦長を演じている。
大半の時間は潜水艦内部でのドラマで、ベテラン乗組員が働く。
こういう言い方はしたく無いんだけど、所謂、男臭い映画。


軍隊やサルベージ会社で働いた潜水艦乗組員は、不況の中で次々職を失い、
苦しい生活を送っていた。
優秀な艦長ロビンソンは、家族を犠牲にしてまで働いてきたが、
頑固な性格の為、解雇されてしまった。
妻は一人息子を連れて、裕福な男性と再婚している。

潜水艦仲間から、儲け話を持ちかけられる。
第二次世界大戦中、ロシアからの大量の金塊を積んだドイツのUボートが沈没し、
黒海に眠っている。
投資家からの資金援助を受けて、違法なサルベージに挑戦する事となった。

ロビンソンは英国とロシアのベテラン乗組員でメンバーを構成するが、
荒くれ者も多くて諍いが絶えず、殺人事件まで起きてしまう。
少数精鋭の乗組員が欠け、潜水艦も故障し、苦難続出ながら、金塊を探し当てる。

ロビンソンの判断は常に危険と背中わせで、ギリギリのせめぎ合い。
何事も無ければもっと安全に仕事が出来た筈だったが、
トラブルの中、次第にリスクを犯す方向に傾く。
仕事も妻子も失ったロビンソンは、尊厳の回復の為、この仕事に賭けている。

故障が深刻になり、支援者の部下ダニエルズは命の危険を感じて、
深海からの浮上を望んで真実を明かす。
大富豪の支援者というのは嘘で、
全てはロビンソンを解雇したアゴラ社の計画だった。
潜水艦が金塊を探し当てて海洋に浮上したところで、違法操業として逮捕され、
金塊はアゴラ社が全部取って、ロビンソン達に分け前は入らない、という段取り。

しかし、金塊にとりつかれたロビンソンはもう引き下がる訳にいかない。
危険を乗り越えて、トルコ沖での浮上を目指す。
しかし、乗組員達のトラブルで、潜水艦の故障は更に深刻となり、
浸水が始まり、深海への沈没が決定的となる。

ロビンソンは仲間に引き込んでしまった18歳の青年の命を救うべく、
死を覚悟して最後の決断を下す。
生き残った青年ともう一人の乗組員に脱出用スーツを着せ、浮上させる。
しかし、その操作をする為にはロビンソンは潜水艦に残らざるを得ない。
青年は無事浮上した後でその事実を知らされる。
金塊の山に腰掛けて、最期の時を待つロビンソン。
最後の3着目のスーツが浮上して来た。
スーツの中には金塊の一部が詰め込まれ、ロビンソンの息子の写真も入っていた。


潜水艦という閉じられた空間の中で、
髭面のむさ苦しいおっさん達が汗水垂らして仕事してるばかりなので、
やや地味な印象はあるけれど、
カメラワークや俳優各自の身のこなしも素晴らしく、テンポ良く見られた。

危険な仕事に従事する労働者と、搾取するばかりの企業の構図が悲しい。

それにしても、
乗組員同士の無駄な争い事が無ければ、無事に帰還出来たのになぁ。
そこんとこはイライラする。
まぁ、映画だから、そうやってドラマを盛り上げるしかないんだけど。

潜水艦の乗組員というのは、特殊な能力が必要とされるものだと、
改めて知らされる。


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