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マンガ家Mの日常
今作について語り尽くすのは難しい。
どのシーンもズキズキと心に響く要素が詰められている。

まず、子役の演技の奇跡的レベルの素晴らしさについてもう少し語りたい。

日本でも、寺田心や芦田愛菜といった天才的子役がいる。
彼らの凄さは、演技プランを完璧に実行する点にある。
拙い子供の喋りのようでいて、ちゃんと台詞が視聴者に届く。
滑舌の悪い大人の俳優は彼らに学ぶべきだろう。

それに対して、ムーニー役のブルックリン他、今作の子供達は、
台詞の途中で声がひっくり返ったり、様々にトーンが揺れる。
台詞に集中するでもなく、目を逸らして顔を掻いたり、笑い出したりする。
それがまさしくその辺にいる子供達の自然な姿。
一体どこまでが演技として指導されているのか分からない。
幼い子供だけに、暗記力はあっても、台詞の意味までちゃんと掴んでいるのか、
それを踏まえての演技であれば、もう、
メリル・ストリープやロバート・デ・ニーロどころではない。
遥かに凌駕している。
友達に別れを告げなければならなくて泣き崩れるシーンでは、
口の中にガッツリ指を突っ込んでいる。
そういう演技プランはどこから生まれたのか。
子供は大人程には語彙が無く、自分の心情や状況を語りきれない。
それだけに、文字にならない表現で多くを語る。
そして、今作ではそれらを余すところなく確実に観客に伝えている。

カメラもドキュメンタリー・タッチで、彼らの生の姿を追う。
撮影と演技が見事に調和している。
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