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マンガ家Mの日常
昨年のWOWOW、フランスの料理映画特集から。
若き有名パティシエ、ヤジッド・イシュムランの半生を描いた伝記ドラマ映画。


モロッコからの移民2世ヤジッド。
父親不在、母親育児放棄で、愛情深い里親の元で育てられた。
里親宅で出される手作りケーキに喜びを見出し、パティシエを目指す。
車での泊まりする生活を続けながら、パリの高級レストランで修行を積み、
ステップアップして、パティスリー世界選手権出場のチャンスを得ると、
フランスチームの一員として若干22歳で優勝を掴み、世界に名を知られる。


不遇な少年のサクセスストーリーと言ってしまえば簡単なのだけど、
実話であるという重み。
ヤジッドは8歳で里親の元から養護施設に移され、
14歳からパティシエの見習いとして働き始める。
施設から列車で片道2時間かけてパリに通う毎日を送った後、
17歳でパリに出て、車上生活。
友人の助け、ヤジッドの努力と腕前を正しく評価してくれるシェフ等々、
周囲の人々にも恵まれた。
選手権が近くなると、住まいとしてホテルの1室も与えられた。
アルコール依存症で育児放棄の母親からは逃げるように暮らしていたが、
その母親が病気で入院し、余命僅かとなると、
里親は、ヤジッドが里親の為に作ったケーキを、母親の病室に届けた。

辛い境遇を言い訳にしないヤジッドと、
彼を支える周囲の人々の優しさ。
意地悪な先輩もちょこっと出てくるけど、大きな騒ぎにはならない。
実話なので、ストーリーの起伏に欠けるきらいはあるが、
丹念な努力が身を結ぶ様子は美しい。

タイトルの「パリ・ブレスト」は、リング状のパイ・シュー菓子。
子供時代や修行中のヤジッドが、完璧なお菓子をイメージしながらも、
出来上がった物がグチャグチャだったりするのが微笑ましい。
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