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マンガ家Mの日常
J・G・バラード原作の近未来SF小説の映画化。

この小説、学生の時に読んだ記憶がある。
ディストピア小説というジャンルになるのかな。
詳細は忘れていた。

ざっくり言うと、タワマンがスラム化していく話。
上層階、中層階、低層階がそのままヒエラルキーになって、
対立が激化してしまう。
今時の日本のタワマンでも、ここまでではないにしても、
ヒエラルキーは確定してるよね。

ヒエラルキーはともかくとして、作品の中では、
電気や水道といった基本的なインフラに早くから不具合が続出して、
あおりを強く受けた低層階の住人が不満を募らせるところから抗争が始まる。
欠陥マンションなんだね。
学生時代には意識してなかったけど、マンション暮らししている今となっては、
マンションの管理に幾らか詳しくなったので、映画を見ながらも、
この人達、ちゃんと法的に改修の手続きを踏めば良いのに、と思ってしまう。
マンションは管理が大事。

荒廃が進むタワマンの中では、住人が欲望むき出しになっていく。
まるでソドムとゴモラ。
多勢が殺され、崩壊した生活の中で、ペットの犬の肉で食いつないでいる。

そんな感じで話は終わる。

小説で読んだイメージよりも、
映像になると何となくチープな感じがしたのがちょっと残念。
そういうもんなのかな。
映像が色々エグい。
英国の作品という事もあって、ケン・ラッセル監督を思い起こした。

話の中心は、記憶では、タワマンの崩壊のイメージだったけど、
それよりも、孤立した環境下で人間の本性が晒される事にあるのかな。
「蝿の王」に近いものを感じた。
今作のタワマン住人の主体は大人だから、
どこか、荒廃した環境を満喫しているような感覚がある。
或いは「シャイニング」。
特定の環境下で精神のバランスが乱されていく。

実際のタワマンの心理的影響っていうのは以前から伝えられていて、
高層階に住むと、外出が減るとか、子供は高所に恐怖を感じなくなるとか、
言われていた。

ホテルとか、レストランとかでたまには行くには良いけど、
やっぱり極端な高さのタワマン暮らしは遠慮したいかも。
「タワーリング・インフェルノ」の影響かな。

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