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マンガ家Mの日常
エリア・カザンの孫娘ゾーイ・カザン主演のロマンス映画。


若い母親クララは、警察官である夫のDVから子供達を守るべく、
幼い息子2人を連れて、NYに逃げて来た。
父親のDVに怯えていた子供達をなだめるように、観光と言っていたが、
手持ちの金が無くなり、車までレッカーされ、途方に暮れる。

クララは高価な服を万引きし、パーティー会場に客に紛れて忍び込み、
食べ物を盗んで、子供達に食べさせて凌いでいたが、それも長くは続かない。
ロシアンレストランのマネージャーのマークはクララに同情し、
事務所の部屋に寝泊まりさせるなどして助けようとする。

マークはドラッグの密売に関係して服役、
その間に弟をドラッグの過剰摂取で失うという過去を抱えていた。
友人の弁護士に連れられて教会のサポート会に通うが、身が入らない。

サポート会を主催している看護師のアリスもまた、
夫の浮気で離婚という過去があり、孤独に陥っていた。
それでも、心優しいアリスは、
社会から見捨てられようとしている人々に向き合い、
軽度の知的障害のある青年ジェフを救う。

雪の降る日、クララと子供達は暖を取りに教会に入り、
一晩そこで過ごすようアリスに勧められる。
深夜、幼い次男ジュードは、ふと眠りから覚めて外に出てしまい、
ドアが自動施錠して、中に戻れなくなり、外で凍えて意識を失う。
翌朝、凍死しかけたジュードを見つけて、気が動転するクララ。
教会の下働きをしていたジェフがすぐに救急車を手配する。
ジュードは一命をとりとめたが、警察に通報され、DV夫に居場所がバレる。

クララはマークの助けもあり、DV夫に立ち向かう決意をして、
離婚と、親権を得る裁判を起こす。
苛立つDV夫は実父にも暴力を振るうなどした為、DVが認定され、
クララは無事、裁判に勝つ。
元の家を売り、子供達とNYで新生活を始める。
マークとの関係も深まる。


全体としては、辛い過去を抱える人々が互いに無償で助け合う、
心温まるストーリーなんだけど、やや甘口かなぁ。

衝動的に家を出てしまったクララは、
警察官の夫に居場所を知られないようにする為に、ひたすら車上生活を続けて、
仕事にも就けないし、住居も無く、生活が行き詰まるのは目に見えている。
もうちょっと考えなけりゃね。
で、子供達に食べさせる為とは言え、
結構高価な服やバッグをいくつも盗んだりしてる。
事件が無事解決したら、まず弁償に行けよってか。

で、マークがクララの力になってくれるんだけど、
クララが儚げな若い美女じゃなければ、マークは彼女を助けたかどうか。
生活困窮するシングルマザーを男性が助けるっていう展開で、
ケン・ローチの「わたしは、ダニエル・ブレイク」を思い出したんだけど、
どっちにリアリティがあって、共感出来るかは明白。
フランス映画「クリスマスに雪はふるの?」も思い出す。
(検索すると、同題の韓国ドラマばっかり出て来ちゃう。)

邦題も何だか微妙だね。
担当者の迷いがあると、良い邦題は出て来ない。


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