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マンガ家Mの日常
フィリップがいた時に見た映画のおさらいはこれで最後。

世界的ベストセラー「ミレニアム」シリーズの映画化作品。
本国版と比べると、さすがにあか抜けた印象はある。

でも、だからと言って、それほど大幅に出来が良くなったというものでもない。
わざわざアメリカ版を作る必要なかったんじゃないかなぁ、と思うんだけど、
ヨーロッパで話題になった作品のリメイクはよくある事で、
アメリカの映画ファン向けに、自分達のテリトリーで作った物を
提供しなければ気が済まないんだろうか。
単純に、台詞の吹き替えだけで良いのでは...?

2時間39分の放映時間は通常であればかなり長めだが、
テンポが良くて長さを苦痛に感じさせない。
ただ、本国版同様、長尺の原作をまとめあげるのが大変で、
ダイジェスト的に、かなりあちこち切って詰め込んだ感は否めない。
原作を読んでいたし、本国版の映画も見ていたので、
ストーリーの解釈に問題は無かったが、
予備知識無しに全く初めて見たら、話の筋をちゃんと理解出来たかどうか。
本当に、もっと時間を取って良い物を仕上げる、という選択肢は
商業映画の世界には無いのだろうか。

シリーズ第1話は、30年近く前の富豪令嬢失踪事件を扱ったもので、
単独の話としても成立している。
だから、もしこれ1本を見せるのだとすれば、
放映時間の制約も考慮して、脚本をまとめる段階で
リスベットのエピソードは(どんなに魅力的だとしても)カットして、
複雑な事件の丁寧な解決に集中するのが正しい道なのだが、
第2話以降はリスベットが主人公の話として展開しているので
彼女のエピソードを切ると、繋がらなくなってしまう。
タイトルだって、本来はストーリーの主軸に沿ったものを充てるべきところ、
「ドラゴン・タトゥーの女」(原作通り)と、リスベットが主体。
今作ではミカエルが主役で、リスベットはアシスタント的な立場にいるが、
「ミレニアム」全体としてはリスベットの生い立ちにまつわる話が主軸で、
ミカエルは彼女のお助け役に回る。
第1話は登場人物達の紹介の場に過ぎないとも言える。
この通り、2、3と続けて作る心構えがあるんなら、尚の事
もっとじっくり作って欲しかった。

主演のダニエル・クレイグは まぁ、それなりかな。
なんか、顔に愛嬌が無い。 なんでかな。
アメリカ版なので、出演者は皆英語をしゃべってるんだけど、
それでも一応舞台はスウェーデンという事なので、
キャストもある程度北欧のイメージに近い外見の人選になっている。
おそらく、もう20年早かったら、
主演はリーアム・ニーソンだったんじゃないだろうか。
例えば、アントニオ・バンデラスが原作を完全に理解し、
主演を熱望したとしても、まず叶わない。 
ラテン版を作るしか無いね。 それはそれでどうなるか興味深い?

2、3話の製作を待つ。
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