安定した映画が見たくて、手を付ける。
でも、ちょっと疲れてたので、2日に分けて見ちゃった。
良い見方では無いのだけど、ホッコリ楽しめる良い作品でした。
ミュージカルのヒット作をクリント・イーストウッドが映画化。
1960年代にデビューして世界的ヒットを飛ばしたポップ・グループ、
フォー・シーズンズの実話を基にしたストーリー。
年齢的に、このグループの事は知らなかったんだけど、
幾つかの楽曲はあまりにも有名。
フォー・シーズンズに加入する前にボブが作った「Short Shorts」は、
日本人なら「タモリ倶楽部」の例の映像を思い起こして苦笑しちゃうね。
タイトルの「ジャージー・ボーイズ」というのは、
ニュージャージーのギャングの手下だった事に由来する。
映画では盗みに失敗する場面がユーモラスに描かれていただけだったけど、
実際はどうだったのかな。
イタリア系だから、音楽が好きで、マザコンで、
ボスのジップは歌の才能があるフランキーを可愛がってる。
フランキーが歌う「母の瞳」で思わず涙しちゃう。
グループが大きな借金を抱えてしまった時には力になってくれたりした。
ギャング絡みの血生臭いシーンは一切出て来ない。
町のチンピラでしかなかった青年達が音楽活動に目覚め、
苦難を乗り越えながら成功を掴む、定番の話。
元のミュージカルを知らないんで何とも言えないんだけど、
イーストウッド監督は敢えてリアルさを追求しないようにしているように見える。
ギャングとの絡みもそうだし、ありがちなお金と女性のトラブル、
娘がドラッグの過剰摂取で命を落としてしまったシーンも、サラッとしていた。
フォー・シーズンズの楽曲のような、明るいポップスの世界を作り上げた。
全ては、永遠の名曲となった「君の瞳に恋してる」に結実される。
これって、邦題もさすがだね。
これはこれで良かったのかな。
伝記映画としては、ラストのロックの殿堂入りのシーンは、
1990年だから実際の映像がある筈なんで、
それを使うってのもありだと思ったけど、そういう事もせず。
元の歌唱がどういう風なのか知らないんだけど、
映画でフランキーを演じたジョン・ロイド・ヤングは
ブロードウェイのオリジナルキャストらしい。
かなり癖のある声なんだけど、60年代ポップスにマッチしてたのかな。
ジップ役のクリストファー・ウォーケン以外は、
映画では殆ど馴染みの無い俳優ばかり。
ヴィンセント・ピアッツァやエリック・バーゲンはなんとなく見覚えがあるけど、
何だったかな。
あ、ヴィンセント・ピアッツァは「ボードウォーク・オブ・エンパイア」だ。
これもギャング・ストーリー。
ギャング・ドラマの最高峰「ソプラノズ」に出ていた
スティーヴ・シリッパがチラッと出てる。
他は、「コールド・ケース」のジェレミー・ラッチフォードもチラッと顔を出す。
半世紀も前の楽曲が今尚生き生きとして歌い継がれているというのは、
アメリカのエンターテインメントの素晴らしさ。
「君の瞳に恋してる」って、他愛無い歌詞のようだけど、
これに尽きるよね、と思える。