聴覚障害について描いた、アメリカのドラマ映画。
ドラマーのルーベンは恋人のルーとロックミュージックのユニットを組んで、
アルバム制作やライブツアー等、積極的に活動していたが、
ある日急に難聴を発症する。
専門医に診てもらうと、難聴は急速に進行しており、回復不能と診断された。
激しく動揺するルーベンを支えて、ルーは聴覚障害者支援施設に連れて行く。
最初は施設のルールに戸惑ったものの、ルーベンは徐々に馴染んで行く。
しかし、ルーが単独で活動している様子をネットで見ると、
元の2人の音楽活動に戻りたい気持ちが沸き起こり、
施設を抜け出して、聴力回復の手術を受けに行く。
脳内にインプラントを埋め込んで、装着式の器具を通じて
音が聞こえているように脳が錯覚するというシステムで、
感覚的に雑音は多いものの、一定の聴力を実感出来るようになる。
手術を受けたルーベンは、施設を退所するよう告げられる。
施設の信条は、聴覚障害の世界を受け入れる事にあった。
手術費用を捻出する為に、機材やトレーラー等全て売り払っており、
ルーとその裕福な父親を頼って、邸宅に行く。
父親は、幼い頃の複雑な家庭環境で荒れて、自傷行為に走ったルーを
立ち直らせてくれたルーベンに感謝して受け入れてくれたが、
自分探しを終えたルーは、ルーベンとの別れを決意していた。
ルーの気持ちを察して、ルーベンは邸宅を出て行く。
街中で佇んでいると、様々な音が感じられるが、
ルーベンは器具を外して、無音の世界に浸る。
印象としては、かなり地味な作品ながら、本国での批評家の評価は高く、
アカデミー賞作品賞にもノミネートされた。
ただ、何と言うか、何とも言い難い。
音楽を仕事として邁進して来たルーベンが音を失う辛さは、想像を超える。
聴覚障害者施設での穏やかな日々にも順応し、
施設長からは、そのまま施設に残って職員として働くよう勧められたけど、
元の人生を捨て難い。
施設長がルーベンに対して依存症の指摘をしていたのは、
ルーベンとルーが出会う前に、それぞれ、
ルーベンはドラッグ、ルーは自傷行為という依存症を抱えていた事と関連する。
2人が共に音楽活動をしている事自体が、ある種の依存関係だったのだろうか。
ルーは自宅に戻ってルーベンと距離を置いた事で、依存から脱却してしまった。
「音」に依存しない世界を求めて。
聴覚障害者の生き方を簡単に定義づけてしまう事は、自分には出来ない。
愛し合っているルーと別れ、1人になって、
街中で器具を外した時、
ルーベンは依存から脱却したと言えるのだろう。
今作は「聴覚障害」よりも、「依存」をテーマにした作品なのかな。
器具を外したのが、ただ雑音が不愉快だったというだけでなく、
何らかの縛りから自分を解放したのだと思いたい。
ドラマーのルーベンは恋人のルーとロックミュージックのユニットを組んで、
アルバム制作やライブツアー等、積極的に活動していたが、
ある日急に難聴を発症する。
専門医に診てもらうと、難聴は急速に進行しており、回復不能と診断された。
激しく動揺するルーベンを支えて、ルーは聴覚障害者支援施設に連れて行く。
最初は施設のルールに戸惑ったものの、ルーベンは徐々に馴染んで行く。
しかし、ルーが単独で活動している様子をネットで見ると、
元の2人の音楽活動に戻りたい気持ちが沸き起こり、
施設を抜け出して、聴力回復の手術を受けに行く。
脳内にインプラントを埋め込んで、装着式の器具を通じて
音が聞こえているように脳が錯覚するというシステムで、
感覚的に雑音は多いものの、一定の聴力を実感出来るようになる。
手術を受けたルーベンは、施設を退所するよう告げられる。
施設の信条は、聴覚障害の世界を受け入れる事にあった。
手術費用を捻出する為に、機材やトレーラー等全て売り払っており、
ルーとその裕福な父親を頼って、邸宅に行く。
父親は、幼い頃の複雑な家庭環境で荒れて、自傷行為に走ったルーを
立ち直らせてくれたルーベンに感謝して受け入れてくれたが、
自分探しを終えたルーは、ルーベンとの別れを決意していた。
ルーの気持ちを察して、ルーベンは邸宅を出て行く。
街中で佇んでいると、様々な音が感じられるが、
ルーベンは器具を外して、無音の世界に浸る。
印象としては、かなり地味な作品ながら、本国での批評家の評価は高く、
アカデミー賞作品賞にもノミネートされた。
ただ、何と言うか、何とも言い難い。
音楽を仕事として邁進して来たルーベンが音を失う辛さは、想像を超える。
聴覚障害者施設での穏やかな日々にも順応し、
施設長からは、そのまま施設に残って職員として働くよう勧められたけど、
元の人生を捨て難い。
施設長がルーベンに対して依存症の指摘をしていたのは、
ルーベンとルーが出会う前に、それぞれ、
ルーベンはドラッグ、ルーは自傷行為という依存症を抱えていた事と関連する。
2人が共に音楽活動をしている事自体が、ある種の依存関係だったのだろうか。
ルーは自宅に戻ってルーベンと距離を置いた事で、依存から脱却してしまった。
「音」に依存しない世界を求めて。
聴覚障害者の生き方を簡単に定義づけてしまう事は、自分には出来ない。
愛し合っているルーと別れ、1人になって、
街中で器具を外した時、
ルーベンは依存から脱却したと言えるのだろう。
今作は「聴覚障害」よりも、「依存」をテーマにした作品なのかな。
器具を外したのが、ただ雑音が不愉快だったというだけでなく、
何らかの縛りから自分を解放したのだと思いたい。
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