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マンガ家Mの日常
トム・ハンクス主演のヒューマンドラマ映画。
フレドリック・バックマンの小説「幸せなひとりぼっち」原作、
同タイトルのスウェーデン映画のリメイク版。


ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外の集合住宅に住むオットーは、
半年前には妻ソーニャを亡くし、独り暮らし。
気難しさを増し、集合住宅の区域内を毎朝見回るのが習慣になって、
ゴミ捨てや駐車マナーの監視に余念が無い。
63歳で鉄鋼会社を定年退職となり、人生の希望を失って自殺を図ろうとする。

その時、お向かいに引っ越して来た夫婦が下手な駐車をしようとするのを
見るに見かねて飛び出し、手伝う。
その後、首吊り自殺しようとしたが、天井に装着したフックが外れて失敗。

第3子を妊娠中の妻マリソルと夫トミー、2人の幼い娘の4人家族。
明朗快活なラテン系のマリソルは親切なご近所さんオットーに急接近。
引っ越しの挨拶の料理や、クッキーの差し入れ、
夫婦デートの時にはオットーにベビーシッターを頼み、車の運転も習う。

オットーが次に車庫で車の排気ガスで自殺しようとすると、
マリソルが車庫の扉を叩き、
屋根から落ちたトミーを病院に連れて行ってくれと頼みに来る。

更に次は、列車に引かれて死のうと、プラットフォームの端まで進むが、
同時にめまいで失神した老人が線路に落ち、
オットーは急いで線路に降りて助ける。
列車が迫って来るが、オットーもまた他の男性に引き上げられ命拾い。
その様子は多くのスマホで撮影され、SNSにアップされて話題となり、
後日、地元のネットワーク局が取材に訪れる。

更に更に、ライフル自殺しようとするが、
用語教師だったソーニャのかつての教え子マルコムが訪ねて来て、
慌てて暴発させ、またもや失敗。

オットーは心臓肥大の持病があり、時々発作で倒れる。
マリソルはオットーに寄り添おうと試みるが、度々拒絶されてしまう。
オットーはお隣さんでかつての親友ルーベンとも、
些細な事で疎遠になっていた。
しかし、ルーベンが脳卒中で全身麻痺の要介護状態となり、
妻のアニタも健康不安を抱えている。
夫婦の健康状態を理由に不動産業者が住居を買い取って
追い出そうとしている事がわかり、オットーは助けに立ち上がり、
マリソルにも協力を求め、和解する。

ネットワーク局の協力も得て、不動産業者の追い出しに成功。
その直後にオットーは再び発作で倒れ、病院に搬送される。
目が醒めると、マリソルが「近親者」として付き添ってくれていた。
そのマリソルは急に産気づき、そのまま病院で男子を出産。

それから3年間、オットーはマリソルの父親代わりのような存在となり、
発作で亡くなるまで、一家と幸福な日々を過ごした。


2時間6分と、ドラマ映画にしてはやや長尺ながら、
爽やかな印象で、飽きさせない。

スウェーデン版(本国で大ヒットした)を観ておらず、
この作品であれば、有名スターではない方が実感があるように思えるが、
トム・ハンクスは流石に何をやっても外さない。
優れた演技力のおかげで、過剰なセリフが無くて住む。

雪に覆われた住宅地の光景や、登場人物達の名前等、
本国版にある程度倣った形になっているのだろう。

アメリカではこのように地域を区切った集合住宅地があるのだけど、
ご近所付き合いはそれ程密接にあるようには見えない。
でも、マリソルの積極性は、
コミュニケーションに余念が無いアメリカの人達を思い出させる。
日本人にはちょっとシンドイ。

マリソルは母国メキシコでは学士と修士の称号も収めた優秀な人物だが、
まだ英語にやや不自由もあり、必ずしも良い仕事に恵まれていないらしい。
ソーニャのかつての教え子マルコムはトランスジェンダーで、
父親から勘当状態。
そうした社会状況も少しずつ、優しさを持って織り込まれている。

若い頃のオットー役をトムの実子トルーマン・ハンクスが演じている。
あまり似ていないような気もする。
トムの若い頃はもっとキュートなイケメンだった。
「スプラッシュ」「ビッグ」等、懐かしい。
思えば、トムが歳を重ねるのをずっと見てきたんだなぁ。
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