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マンガ家Mの日常
最近放送されて最近録画したので、ふらふらっと見る。

スパイ映画の定番、トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズ。

映画そのものにはかなり高い評価を付けたい。
設定が分かり易く、サスペンスもアクションも楽しめる。
これだけの内容をこの短い上映時間の中に破綻無くきっちり詰め込んで、
尚且つ分かり易いというのは、脚本と編集が半端無く優れている証拠。
見本のような作品だと言っても良い。

勿論ラブストーリーも有り、主人公の成長や上司との信頼関係の構築、
他に、敵役の親子関係なども盛り込まれている。
それら一つ一つをもっと掘り下げて欲しいと思えば話は別になるんだけど、
どの要素を見ても、しっかりした説得力がある。
エンターテインメントとして、バランス感覚が実に素晴らしい。
監督が才人ケネス・ブラナーで、自ら敵役も演じているので
現場の統制が取れていたんだろう。

ケビン・コスナーを見るのはちょっと久しぶりかも。
やや地味な役所だった。

ジャックの恋人役はキーラ・ナイトレイ。
顔があんまり好きじゃないんだけど、
サスペンス物のヒロインを美しく演じていた。
ただねぇ、こういう賢くて疑り深い女ってどうなんだろうね。

一番の問題は主人公。
ジャックは経済学部の優秀な学生で、
ロンドン留学中に9.11をTVで見て、すぐさま大学を中退して海兵隊に入る。
ここでもう、うわぁ〜...って感じちゃう。
何と言うナショナリズム。やられたらやり返す?
こういう思考回路がテロを助長してるんだもんね。

海兵隊で戦場に行って負傷、リハビリしていたところをCIAにリクルートされる。
復学して博士号を取って、大手の銀行に入社して、経済動向を注視して
世界のテロ計画の有無を探るという秘密の任務に就く。

なんだけど、主演のクリス・パインがそんなに賢そうに見えない。
ボサ眉が可愛くて、個人的には好きだけど、
スパイ物のヒーローとしてはスマートさがまるで無くて、
レスリングやってる田舎の大学のお兄ちゃんみたいな感じ。
きっとそういう純朴な役をやったら似合うよ。

スパイ物としては、どうしても「007」のショーン・コネリーが規範になる。
時代が違うので、同じようなものを求める訳では無いけど、
やっぱりトム・クルーズのようなスター性とカリスマを備えた俳優に演じて欲しい。
この世代にはまだそういう俳優が見当たらない。
この手のスパイ映画は現実味では無く、エンターテインメントとして、
架空性、非日常性が求められる。
ところが、クリス・パインからはそうした非日常性を感じられない。

ロシアの大臣の役でミハイル・バリシニコフがちらっと出演していた。
クレジットに出てなかったんで、隠し球なのかな。

ところで、QPのあの犬はその後どうなったんでしょう?
飼い主のところに無事戻れたのかな?


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