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マンガ家Mの日常
新年の1作目に宗教大作を選んで見たのだけど、iMacの故障で出遅れてしまった。
iPhoneから長文の記事を書くのはシンドかったから。

「旧約聖書」モーゼの出エジプト記を映画化した作品。
チャールトン・ヘストンの「十戒」があまりにも有名なので、
今更作る必要は無いような気もしたけど、
現代の視点と映像技術での再挑戦となった。

主演はミスター・ハリウッドに名乗りをあげつつあるクリスチャン・ベール。
作品によって必要とあればゴリゴリの筋肉を付けたりも出来るのだけど、
同じリドリー・スコット監督作品で近いジャンルの「グラディエーター」が浮かんで、
ラッセル・クロウと比べると、
顔立ちや声質からどうしても線が細いイメージがある。
第一、あれ程の美しい顔を髭で隠すという設定自体がマイナス。


モーゼはエジプトで将軍として勇猛果敢な働きを見せていたが、
兄弟同然に育った筈のラムセスが王位を継ぐに当たって、
国民の信頼が厚く、指導者になると予言されたモーゼに嫉妬し、恐れて、
モーゼが実はヘブライ人であったという出自を問題にして追放した。

モーゼはエジプトで奴隷扱いされていた同胞のヘブライ人達を救い出し、
約束の地カナンを求めて旅に出る。
ラムセス率いるエジプト軍に追われ、目の前の紅海に行く手を阻まれるが、
干潮で道が開け、皆無事に向こう岸に辿り着く。

旅の途中の大群衆を統率するべく、神の子の声を聞き入れながら、
石版に10の戒めを掘り、皆に浸透させる。


基本の展開は「旧約聖書」通り。
話の流れを知らせる事に努めたのか、人間的なドラマは描き方が薄く、
片隅に追いやられたような印象があった。

絶対的権力者でありながら、モーゼに対して劣等感を抱き、怯えるラムセスを演じた
ジョエル・エドガートンは良い役所だった。
先代王セティ役のジョン・タトゥーロもしっくりきていて良かった。
ヨシュア役は「ブレイキング・バッド」でブレークしたアーロン・ポールで、
モーゼが神の子と対話する様子を見て不審に思うのだけど、
何か言うでも無く、何かするでも無く、
存在意義がはっきりしないキャラクターだった。何だったんだろ?

映画としては賛否両論あるらしいけど、
エジプトの宮殿のバルコニーは異国情緒があって、夕暮れの光景が美しく、
宮殿前の大通りには巨大な柱像が立ち並び、SF的な光景で興味深かった。
一方で、当時の様子を再現するよう努めたからか、明かりが暗く、
画面が時々見辛いのは仕方無いか。

イナゴの襲来は歴史的にもよくあるエピソードだけど、
捕まえて佃煮にして食べたら良いのに、と思うのは日本人だけ?


映画として成功だったかどうかはともかく、
異文化の日本人としては、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の元を理解すべく
「旧約聖書」を知識として頭に入れておくには良い素材だと思うので、
鑑賞をお勧めします。
エンターテインメント性も十分あるので、2時間半は長くは感じない。


余談で、つまらない事ではあるかもしれないけど、ちょっと書いておきます。
エンドロールで、当然技術スタッフの長い長い名前の羅列がある。
でも、1段1段に沢山並べて、
なるべく短い時間でエンドロールが終わるよう配慮されていた。
映画を観終わって疲れている観客の為には親切な心遣いだと思った。


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