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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意


ミステリーの女王アガサ・クリスティ原作の映画化。
クリスティの最高傑作との謳い文句だったので、期待して観たけど...。


ギリシャ移民の大富豪アリスタイド・レオニデスが毒殺される。
戦時中、諜報活動に従事していたチャールズは、
小さな探偵事務所を経営しており、
諜報活動中にカイロで知り合った、レオニデスの孫娘ソフィアから
調査を依頼される。

レオニデスの館で家族に聞き込みをするが、全員が難物。
遺産は当初遺言によって大半が後妻のブレンダに行くかと思われていたが、
当の遺言にレオニデスの署名が無く、
もう一つの遺言が有効とされ、遺産の大半はソフィアが受け取る事となった。

事業に失敗して金策に窮していた長男ロジャーや、
家庭教師と浮気していた後妻ブレンダが犯人と疑われたが、
真犯人は12歳の孫娘ジョセフィンだった。

ジョセフィンは支配的なレオニダスを憎んでいた。
更に、口やかましい乳母も毒殺。
ジョセフィンの犯行に気付いた、レオニデスの姉イーディスは、
悪性腫瘍で自らの余命が僅かな事から、
ジョセフィンを車に乗せて、断崖から落ちて心中する。


原作が発表されたのが1949年で、おそらく、当時としては、
僅か12歳の少女が連続殺人を犯すという設定が斬新だっただろう。
その点では、クリスティ本人が最高傑作と自負するのも納得出来る。

とは言え、
フランス人であるジル・パケ=ブランネール監督が
フィルムノワール的な作風を狙いに行ったせいなのか、
アンニュイな雰囲気はともかく、テンポが緩くて、
台詞回しも訥々として、説明が長く、
クリスティのエンターテインメント的要素が著しく乏しく、
ただ退屈だった。
演出効果を狙った陰鬱なBGMも、鬱陶しい。

グレン・クローズ、テレンス・スタンプといった大物俳優と、
サラブレッドのイケメン、マックス・アイアンズといった
それなりに豪華な出演者なのに、作品に華が無い。
製作費もそう高くないようで、TV映画用に制作されたのかな。
画面に映える美しい姿のマックス・アイアンズだけど、
探偵にしては賢そうでなくて、どこと無く緩んでいた。
グレン・クローズはオーバーアクト気味。

ポアロのシリーズとか、TV版でも華やかで面白かったのに。

奇を衒うよりも、視聴者を楽しませる事を先に考えて欲しい。


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