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マンガ家Mの日常
ジュリア・ロバーツ主演のヒューマンドラマ映画。


ホリーは再婚した夫ニールと、前夫との娘アイヴィー、
ニールとの間の2人の幼い子供達と、クリスマスの準備に勤しんでいる。
すると、前夫との息子ベンがいきなり帰宅した。
薬物依存症の治療センターに入所していたが、
クリスマスを家族と過ごしたくて、一時帰宅した。
幼い弟妹達は喜ぶが、ホリー、ニール、アイヴィーの3人は怪訝そう。

ベンはスノボの事故で重傷を負い、
治療の際、医師が安易に処方した鎮痛剤で、依存症になってしまった。
ドラッグにのめり込み、購入費用の為に盗みを働いたり、
挙句、ドラッグディーラーの手下になり、同級生に売るようになる。
友達のスパイクは依存症になり、マギーは過剰摂取で命を落とした。

ホリーは自分が監視する事を条件に、ベンの一時滞在を受け入れる。
弟妹にクリスマスプレゼントを買いたいと言うベンに付き添ってモールに行く。
ベンの姿を見つけたスパイクは、ドラッグディーラーのクレイトンに伝える。
その日のうちにクレイトンはホリーの家を荒らす。
ベンはクレイトンに借金を返さなければならず、ホリーに金を借りるが、
クレイトンは渡された金額では納得せず、
ベンに最後に一度の約束で、運び屋をやらせる。

何とかカタはついたが、ベンはクレイトンから渡されたドラッグを使用して、
廃屋で意識不明の状態になる。
夜通しベンを探し回ったホリーはベンを見つけ出し、救命措置を施す。


クリスマスイヴの一夜で、ドラッグの問題を集約して表した。
いささか教訓的な内容なので、
主演がジュリア・ロバーツでなかったら、退屈だったかもしれない。
ベン役は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」で映画賞を総なめにした、
今最も見る価値のある若手俳優ルーカス・ヘッジズ。
監督、脚本はルーカスの実父で、
「ギルバート・グレイプ」の原作者として知られるピーター・ヘッジズ。

ドラッグの問題は本人だけに留まらず、家族や友人までも不幸にしてしまう。
ホリーがマギーの母親の前に跪き、寄り添う場面、
ベンを助けたいホリーに寄り添うマギーの母親。
依存症に陥るきっかけを作ってしまった医師をなじるホリー。
一つの街全体がドラッグの悲劇に浸されてしまっている。

ベンは堅実なニールとソリが合わないが、
ニールはベンを腹立たしく思いながらも、自宅を2度抵当に入れてまでして、
ベンの為にリハビリ費用を工面していた事を知らされる。

依存症の会に参加する等、真摯な態度でリハビリに取り組むベンだが、
それでも、依存症患者は嘘をつく...。

町山さんの解説を読むと、
依存症患者を受け入れる社会の態勢が重要である事がよく分かる。
ピーター・ヘッジズ監督の父親が神父だったそうで、
今作が教訓的なのは「新約聖書」の「放蕩息子の帰還」がベースにあるから。
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