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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意 



ジェフリー・ディーヴァー作、リンカーン・ライムシリーズ第13作目。

最近バタバタしていて読書に集中出来ず、
読了までちょっと手こずってしまった。
でも、名手の構成は流石で、途中途中でさりげなくちゃんと説明が入り、
前段がわかるようにしてくれている。

いつもながらの大胆な仕掛け。


誘拐した人を拷問にかけて、その音声を収集する事から、
「コンポーザー」と命名された犯人。
リンカーンとアメリアがNY市警に協力して、無事救出。
イタリアのナポリに逃亡した犯人を追って、2人と介護士トムもナポリへ。
「コンポーザー」は犯行を重ねるが、
現地の警察との微妙な協力関係の中、事件解決に近づいて行く。

...ところが、

「コンポーザー」は、アメリカ合衆国法務官の依頼で、
中東からの移民に紛れてやって来たテロリストを拉致して拷問し、
テロの情報を掴むという仕事に当たっていたのだった。
なので、「コンポーザー」は拷問しても殺害はしなかった。
(サイコパスの犯罪者に違いはないんだけど。)
更に、類稀な聴覚を生かして、音声からテロ予告の事件現場を特定。
被害を未然に防ぐ手助けとなる。


犯罪者が事件解決に協力するという設定は多々あるけど、
見た目の被害者達が実は「犯罪者」で、
見た目の犯罪者による「拷問」が実は「尋問」だったという、抜群の設定。

リンカーンは捜査基地でもある自宅を離れ、普段の仲間の大半もおらず、
限られた状況下で捜査に当たる。
シリーズも長くなって来ると、設定に工夫が施される。
ディーヴァー、流石、懐が深い。飽きさせない。



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