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マンガ家Mの日常
おそらく、ネット各地では酷い話も出ているのだろうけど、
先の人質事件について、見たところ身近な新聞やTVニュースでは
かなり控えた対応がなされている。
読者や視聴者の判断と憶測に任せるという事かな。

発端は、イスラム圏で軍事会社を作る、とか言っていたY氏。
日本の商社などが海外に行った折に、現地の軍隊に守られるのではなく、
日本の軍事会社で守ろう、という理屈は一見すると理があるようにも見えるけれど、
あまりにも中身が伴っていなかった。
他人を守る前に自分がテロリストに捕まってしまった。

そういうかなり面倒な状態の人を救い出す為に次の人までが犠牲になった。

Yさんに関しては、日本全国から非難を浴びても仕方の無いところなんだけど、
報道機関はなるべく情報を出さないようにして、非難の嵐を防いでいた。
はたして、それは正しかったのかどうか?
本音は誰しも同じようなもんだと思うけど、
ご遺族が気の毒という事もあって、言いたい放題の論評はしかねる。
でも、一方でジャーナリストと言われる人達は
今回の事件のような局面にあっても、言論の自由を主張する。
であれば、Y氏が何故このような事態を引き起こすに至ったのか、
しっかり検証すべきではなかろうか、ご遺族がどうなろうとも?

Y氏を救いに行って、自らも人質になってしまったジャーナリストG氏。
事前に政府関係者から3回程渡航を止めるよう言われていたのを制止しての行動に
閣僚から「蛮勇」との言葉も出た。
これに関しては意見は割れるだろうけど、
この閣僚としても、立場上言わざるを得ないところだったんだろう。
無謀なヒロイズムには警鐘を鳴らさなければならない。

自らの命を賭して他者を救いに行く、それ自体は犠牲的精神で美しく聞こえるけど、
結果テロリストに利用されて、彼らに都合の良い声明を全世界に公表する形になり、
日本とヨルダン国家間の亀裂を生みかねない国際問題まで引き起こした。
G氏はこの責任は取れるのか?
ベテランのジャーナリストであれば、尚の事、
そこまで考えてから行動すべきではなかったのか。

Y氏、G氏に対して、政府は渡航を止めさせるべきだったという批判も出て、
方や、今回のパスポート返納のように渡航を止めさせるのは
言論の自由の封殺だという意見も出て、
じゃあ、政府はどうしたら良いんだろう? 

何もかもアンビバレントな状態で答えが無い。

こういう時、国際政治学者といった人達はもっとはっきりと意見表明して
政府ともジャーナリストとも話し合いを深めるべきではないだろうか。
何だか、皆が噛み合っていない。
意見の対立が牽制となって、程良いバランスを保つのだけれど、
状況によっては一つの答えを導き出さなければならない場面もある。

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