くどいようですが、最初にお断りしておきます。
まだ本を読んでいない人は、この記事読まないで下さい。
ジェフリー・ディーヴァーの醍醐味を、著書で味わっていただきたいので。
巻末に児玉清氏が長文の解説を寄稿していた。
他の解説等と内容が被っている部分もあって、
説明過多ではないかと思うのだけど、
それほどまでにJ・ディーヴァー作品に深い愛情があって、
出版社側も、おそらくは、児玉清氏なら、と、
枚数に制限をつけずに依頼したんじゃなかろうか。
あの上品な風貌、物腰からやや離れて、解説文が熱い。
本人によれば、以前にジョン・グリシャムの作品の解説等も手掛けていて、
「グリシャム・マジック」とまで褒め讃えておきながら、
J・ディーヴァーを読んでからというもの、プロットに感嘆して、読み比べて
「グリシャムは小学生レベルだ。」とまで言いのけている。
引き合いに出されたJ・グリシャムは要らん怪我をしちゃったね。
まぁ、とにかく、J・ディーヴァー作品の全体像に関しては
児玉清氏の解説文に説明役を譲りたい。
とにかく、読者として児玉清氏の解説と同じ感想を持った。
本だから、あと何ページ残ってるっていうのが当然わかる訳で、
ここで犯人が捕まった風だけど、これだけ残りページがあるんなら
まだどんでん返しがあるに違いない、とは読み解く。
で、まぁ〜、そっから二転三転、これでもかって返しが始まる。
まさしく、それがJ・ディーヴァーの醍醐味。
ライム率いる警察チームが犯人を追跡して、犯行を防ごうとしているのだから、
連続殺人の計画が次第に阻止されてゆく。
でも、犯行失敗と思われたものが、実は犯人の完全な計算、
本来の犯行の為の策略でしかなかった。
注意深く難解な罠を発見して、解いたと思って足を着地させようとしたら、
絶妙なところに小さな石が埋め込まれていて、勢いよく転ばされてしまった、
そんな感じ。
今作はライムシリーズ第1作の「ボーンコレクター」に通じる設定で、
シリーズ全体の総括的な位置づけであるように見える。
新しいキャラクターも増えて、メンバーが充実して来た。
反面、ライム本人の出番がやや少なかったのが不満ではあるんだけど。
色々リセットする時期なのかな。
ライムの本領は何と言っても微細証拠からの分析なのだけど、
科学的分析に走り過ぎると読者の知的探究心はやがて付いて行けなくなる。
そこを汲み取って、犯行のトリックをシンプルなものに調整したんだろう。
捜査の方もキャサリン・ダンスのようなキャラクターによって
人間観察の面にやや重心を移動させている。
もっとも、J・ディーヴァーは「エンプティ・チェアー」で既に
心理面からのアプローチを示しているので、
決して、流行に乗った付け焼き刃等では無い。
ちょっと失敗したなぁ、と思ったのは、
やっぱり「スリーピング・ドール」を先に読んじゃった事。
C・ダンスシリーズが開始された事は大分前から伝わってはいたのだけど、
ちゃんと「ウォッチメイカー」を適時に読んでいれば、
ダンスがどうなるのか、もっとハラハラして楽しめたかもしれない。
何作かJ・ディーヴァー作品を読み続けていると、
さすがに「これは怪しい、何かありそうだ。」というのはわかってくる。
ミステリー小説の手法として、
謎解きの肝心な情報は読者に見せなかったりするので
それが無い限り、こちらとしては完全な推理は出来ないので
真相を先取りする事は出来なくて当然なのだけど...、
もうちょっと近づけたらなぁって、つい悔しがってしまう。
アメリアの父親の件は、潜入捜査だろうな、というのは予測がついたよ。
それくらいは何とかね。
原題は直訳すると「冷たい月」で、
「ウォッチメイカー」は日本の出版社の案なのかしら。
これも直訳すると「時計師」になっちゃって、
「魔術師(イリュージョニスト)」との並びはあるけど、
「ウォッチメイカー」にしたところが ひねりがあってヒットだね。
「静寂の叫び」も、原題は「乙女の墓」で、
これも「静寂の叫び」の方がヒットだった。
最近、映画の邦題に良いものが無いけど、
本の方は出版までに時間があるから じっくり案を練る事が出来るのね。
ライムシリーズの「ソウルコレクター」と、他に読み切り作が2本
買い置きで手元にあるのだけど、
それを勢いに任せて読んじゃったら、追いついちゃうんで、
やっぱり暫く寝かせておいた方が良いのかな...。仕事もしなきゃだし。
手元にあるのを我慢するって...、出来るかどうか自信が無い。
まだ本を読んでいない人は、この記事読まないで下さい。
ジェフリー・ディーヴァーの醍醐味を、著書で味わっていただきたいので。
巻末に児玉清氏が長文の解説を寄稿していた。
他の解説等と内容が被っている部分もあって、
説明過多ではないかと思うのだけど、
それほどまでにJ・ディーヴァー作品に深い愛情があって、
出版社側も、おそらくは、児玉清氏なら、と、
枚数に制限をつけずに依頼したんじゃなかろうか。
あの上品な風貌、物腰からやや離れて、解説文が熱い。
本人によれば、以前にジョン・グリシャムの作品の解説等も手掛けていて、
「グリシャム・マジック」とまで褒め讃えておきながら、
J・ディーヴァーを読んでからというもの、プロットに感嘆して、読み比べて
「グリシャムは小学生レベルだ。」とまで言いのけている。
引き合いに出されたJ・グリシャムは要らん怪我をしちゃったね。
まぁ、とにかく、J・ディーヴァー作品の全体像に関しては
児玉清氏の解説文に説明役を譲りたい。
とにかく、読者として児玉清氏の解説と同じ感想を持った。
本だから、あと何ページ残ってるっていうのが当然わかる訳で、
ここで犯人が捕まった風だけど、これだけ残りページがあるんなら
まだどんでん返しがあるに違いない、とは読み解く。
で、まぁ〜、そっから二転三転、これでもかって返しが始まる。
まさしく、それがJ・ディーヴァーの醍醐味。
ライム率いる警察チームが犯人を追跡して、犯行を防ごうとしているのだから、
連続殺人の計画が次第に阻止されてゆく。
でも、犯行失敗と思われたものが、実は犯人の完全な計算、
本来の犯行の為の策略でしかなかった。
注意深く難解な罠を発見して、解いたと思って足を着地させようとしたら、
絶妙なところに小さな石が埋め込まれていて、勢いよく転ばされてしまった、
そんな感じ。
今作はライムシリーズ第1作の「ボーンコレクター」に通じる設定で、
シリーズ全体の総括的な位置づけであるように見える。
新しいキャラクターも増えて、メンバーが充実して来た。
反面、ライム本人の出番がやや少なかったのが不満ではあるんだけど。
色々リセットする時期なのかな。
ライムの本領は何と言っても微細証拠からの分析なのだけど、
科学的分析に走り過ぎると読者の知的探究心はやがて付いて行けなくなる。
そこを汲み取って、犯行のトリックをシンプルなものに調整したんだろう。
捜査の方もキャサリン・ダンスのようなキャラクターによって
人間観察の面にやや重心を移動させている。
もっとも、J・ディーヴァーは「エンプティ・チェアー」で既に
心理面からのアプローチを示しているので、
決して、流行に乗った付け焼き刃等では無い。
ちょっと失敗したなぁ、と思ったのは、
やっぱり「スリーピング・ドール」を先に読んじゃった事。
C・ダンスシリーズが開始された事は大分前から伝わってはいたのだけど、
ちゃんと「ウォッチメイカー」を適時に読んでいれば、
ダンスがどうなるのか、もっとハラハラして楽しめたかもしれない。
何作かJ・ディーヴァー作品を読み続けていると、
さすがに「これは怪しい、何かありそうだ。」というのはわかってくる。
ミステリー小説の手法として、
謎解きの肝心な情報は読者に見せなかったりするので
それが無い限り、こちらとしては完全な推理は出来ないので
真相を先取りする事は出来なくて当然なのだけど...、
もうちょっと近づけたらなぁって、つい悔しがってしまう。
アメリアの父親の件は、潜入捜査だろうな、というのは予測がついたよ。
それくらいは何とかね。
原題は直訳すると「冷たい月」で、
「ウォッチメイカー」は日本の出版社の案なのかしら。
これも直訳すると「時計師」になっちゃって、
「魔術師(イリュージョニスト)」との並びはあるけど、
「ウォッチメイカー」にしたところが ひねりがあってヒットだね。
「静寂の叫び」も、原題は「乙女の墓」で、
これも「静寂の叫び」の方がヒットだった。
最近、映画の邦題に良いものが無いけど、
本の方は出版までに時間があるから じっくり案を練る事が出来るのね。
ライムシリーズの「ソウルコレクター」と、他に読み切り作が2本
買い置きで手元にあるのだけど、
それを勢いに任せて読んじゃったら、追いついちゃうんで、
やっぱり暫く寝かせておいた方が良いのかな...。仕事もしなきゃだし。
手元にあるのを我慢するって...、出来るかどうか自信が無い。
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