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マンガ家Mの日常
各界の著名人が短い講演をする、という企画、
スーパー・プレレゼンテーション。

ロックミュージックのスーパースター、スティング登場。

数々の栄光に輝いてきたが、10年程前にパタッと作曲が出来なくなった。
その後自分のルーツである故郷を訪れる等して、内省的な音楽を取り戻した。

故郷の港町は造船で栄えたが、仕事はキツく、暮らしは貧しく、
スティングの少年時代には造船業自体が下火になりつつあった。
祖父の代から造船の仕事に従事しており、
父親からも、立派な造船所の男になるよう言われ続けていたが、
スティングはそんな生活が嫌で、音楽での成功を夢見て町を出た。

それは良いんだけど、
スティングが造船の仕事を嫌だ嫌だというのが気になった。
言葉の問題一つかもしれないのだけど、
そういう事を公の場で言うと、職業差別に繋がりかねない。

マンガで、同じ事を書いたら、
圧力団体から抗議が来るからとして、確実に編集部がストップをかける。
そこに表現の自由は無い。

随分前になるけど、フレンド系の雑誌だったか、
高校を舞台にしたラブコメマンガで、女子高生が
「用務員のくせに!」といった暴言を吐くシーンを描いたら、大問題になって、
新聞にまで載ってバッシングされ、そのマンガ家さんは暫く干された。
まぁね、チェックし損ねた編集部の判断ミスでもあったんで、
その後はちゃんとフォローしてもらえたみたい。仕事にも復帰した。

職業に貴賎は無い、と言うし、
どんな仕事でも社会で必要。
差別があってはならない。

でも、人は皆、体力を使わずに大金を稼げる、安定した仕事に就きたくて
一生懸命勉強して大学に行きたがる。
そういう人達に、どう言えばいいんだ?
ただ自分に合った仕事、というのでは無く、
頭を使って楽して稼げるのが「良い仕事」って見方も浸透している。
「尊敬される仕事」なんていう言い方だってされる。
頭脳労働でなら良い暮らしが出来るが、肉体労働の世界はキツイ。

毎日危険な現場でクタクタになるまで働いて、
それでもわずかな収入しか得られず、家族に美味しい物も食べさせてやれない。
そういう生活にはまりたくは無い、
そういう生活から抜け出したい、
そう考えることが差別だとしたら、努力が差別を生み出す事になってしまう。

何故、肉体労働は見下されるのか?
仕事の厳しさに反して収入が低いからに他ならない。

辛くて儲からない仕事を見下すのが差別なのでは無く、
仕事の厳しさに見合った富の配分を適正に行わない
権力者達の行為が差別なのだと思う。




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