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マンガ家Mの日常
「4」を書いた時、何か言いたい事があって、
それで(この話 もうちょっと続く。)とした筈なんだけど、
記事を探し出してみると、丁度1ヶ月前となっていて、
読み返したものの、...この後何を書きたかったんだか、忘れてしまった。

仕方無い。
でも、おそらくネーム中に思う事だから、
この次の仕事でまたネームで苦戦させられたら 同じ事を考えて、
それに見合った記事を書くだろう。
不毛な気もするけど。

とにかく、修整は最小限に留める方向で なんとかネームを終えた。
マンガって、ページ数の制限は当然として、
見開き単位での画面構成があるから、たった1ページの枚数調整でも、
場合によっては全編構成し直さなければならなくなる。

カット出来るエピソードがあれば良いんだけど、
ただでさえ切り詰めて書いてるから、台詞ひと言も削り辛い。
それで、コマ割りを調整して詰めてゆくんだけど、
そうすると、コマの配置がズレてしまって、演出上の問題が起きる。
目立たせたいコマをどこに置くか、とか、コマ割りの流れだとか、
引きのコマを見開きのラストに置く、とか、
そういう緻密な計算が全部崩れてしまう。
コマの位置を替えれば、その中の絵だって調整し直さなければならない。

マンガの画面って、実際、もの凄〜くデリケートに作ってあるのです。

ネームの段階では人それぞれで、
絵を描き込む人もいれば、台詞だけって人もいる。
「北斗の拳」の原哲夫先生のネームは、これがネームかってくらい、
ビシビシに絵が描き込んである。
以前、TVで仕事風景を紹介されたのを見て、驚愕した。
絵の上手い人っていうのは、それに繋がる努力をしているんだ。

私の場合は、あんまり丁寧に描き込み過ぎちゃうと、
いざ原稿用紙に向かった時に、逆に、微妙な表情等の再現が難しくなるので、
リアルに描く事は避けるようにしている。
それでも、原稿用紙の段階で構図に悩まなくて良いよう、
画面のバランスはしっかり整える。

肝心なのは、ネームチェックする担当さんが見てわかるかどうかで、
ベテランの編集さんであれば台詞だけのネームで読みこなしてくれる。
でも、それはマンガ家もベテランの場合であって、
新人マンガ家さんは勉強の為にちゃんと絵を入れるようにしてね。

そんなこんなで、
ネームって、ザックリ描いてあるように見えても、結構な手間。
気力も体力も集中力も必要。
125ページでネーム全編直しなんて事は、もう体力が保たない。
で、そうならないよう、段階を踏んで進めて行く。

新人の頃は、ページ数の調整で四苦八苦してたけど、
ネームも数をこなすに連れて、
スムーズに枚数内に収められるようになって来た。
上手く収まった時は、我ながら職人技だと思うよ。

マンガの描き方講座のブログではないけど、
折があったら、ネームの作り方について自分なりに考えながら
説明出来たら、と思う。

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