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マンガ家Mの日常
基本コミック化は原作に忠実である事を旨としている、
原作者と原作のファンの方に敬意を払って。
残念なのは、その姿勢の為に 
私の作家としてのオリジナリティの力を疑われる事。
これはよくある間違いだけども どうしようもない。
ガンガン作り変えるように指示があれば 勿論なんだってやる。
だけど、そんなのは失礼な事だってわかってる。

原作をいくらかなりと作り変えるのは まずページ数の問題。
小説のままマンガにしてたら とても規定の枚数には収まらない。
エピソードの一部を切ると、バランス修正の為の変更等も必要となってくる。
これももうしようがない、やるしかない。

でも本当はやりたくない。
以前横溝正史作品のコミック化を手掛けた際、
発売後に編集長さんに連れられて 横溝先生の奥様にご挨拶に伺ったら
(当時横溝先生御本人は既に他界されていたので。)
奥様は映画やテレビ等で原作が作り変えられるのを残念がっておられて、
特にそれは故人の思い出の品でもあるのだから
仕事で関わる人間の立場として
最大限の敬意を払うべきだと感じさせられた。

だから 変更は極力最小限にするように務めている。

それで色々難関にぶち当たる訳だ。

HQの小説の中に 食事のシーンが度々描かれる。
恋人同士のふたりがすてきなレストランで食事をしながら
会話を楽しむのは 小説の見せ場のひとつでもある。
だって、当然誰だって そんなロマンチックなデートがしたいから。
ところが、これをそのままマンガで描いてしまうと 
動きがなくて間延びしてしまう。
...、だから なんとか調整する。

電話のシーンも同様。
時間軸に齟齬が生じなければ なるべく直接会って会話させる。

作品の主旨はとにかく守っているので、
こうした変更は原作者の方にも受け止めていただけるよう願っている。

ラストは勿論ハッピーエンド。
そのラストページのヒロインのモノローグは 
私個人の発想で作らせてもらった。
でも、それは原作のエピソードを集約させたものだというのは
読んでいただければ十分納得してもらえると思う。
ラストシーン、スゴく気に入っている。
この最後のモノローグで読者の方の気持ちを掴めなかったとしたら
このマンガは失敗作と言う事になる。

そんな事にはならない、
読んで下さった方全員に気に入ってもらえると信じてる。
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