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マンガ家Mの日常
少し間が空くと どこまで書いたか忘れそうになります。
モチベーションも上がったり下がったりで、お待たせしております。

「デジコミの原稿料は出ない。」
...、そうYさんから伝えられてしまいました、電話1本で。

今思えば、何故そうなったのか、理由を説明してもらうべきでしたが、
聞いたところで曖昧な話しか聞かされなかったでしょう。
上からそう指示があったとかなんとか...。

お金が出ない理由なんて、どこでも同じ。
お金がないから。

デジコミの仕組みとか経費とかがどうなってるのか、
正確なところはマンガ家には知らせてもらえません。
マンガ家が一番弱い存在で、一番取り分を削られてるから、
さすがにそれは言いにくかろう。
紙媒体からデジタルに替わって、手続きが簡略化されると思いきや、
逆により複雑になって、中間業者が増えて、
出版社でコントロールできなくなってるみたい。

Yさんとしても、デジコミでやっていけるという算段はあったんだろう。
でも、会社の収支決算がそれを許さなかった。
会社はまず会社の利益を最優先させる。
そりゃあ、会社がしっかりしてくれないと 
マンガ家も仕事できなくなるから 大事な事なんだけど、
それで出た結論が「原稿料なし。」って...。

マンガ1作描くにはそれなりの経費がかかる。
紙1枚、鉛筆1本だって、誰も只ではくれない。
画材、参考資料、PCやコピー機の月々の使用料、
定期的に量産するとなると アシスタント代も大金が必要になる。
今もかなり切り詰めて、無理を重ねてやってきているのだから、
もう経費を切り詰めるのも限界。

経費切り詰めてなんとかやったところで、
じゃあ月々の生活費はどうなるの?
水は近所の公園から汲んで来れる。
でも、まず電気とガスは止められる。
マンションの管理費だって滞納が続けば裁判沙汰になる。
おっと、食料はどうする。
公園の葉っぱをむしって、あとは鳩でも捕まえるか?

生きていけない。

既に配信されている「キアラ」についてだって
私の手元にはまだ1円も入って来ていないのに、
これから新作を描いて いつだかわからない頃に配信されて、
その更に1年後に10%程度の配信料が入るのを待ってはいられない。
だいたい、これも正当な報酬と言えるのか?
多分全体の10%程度だろうとは見込まれるけど、
取引の経緯を知らされないから、
どこがどれだけ持って行ってるかわからない。

それに、出版社に入って来た金額のうち70%は出版社が取る。
...、なんだか腑に落ちない。
デジコミ配信について、各社がそれなりの経費と労働力を使っているから
各社がそれなりの代金を受け取るのは 当然の事なんだけど、
で、なんでそのしわ寄せが 全部マンガ家のとこにだけ来るの?
マンガって、只でできるものだとでも思ってる?

結局のところ、ぶんか社の事業計画に問題があったとしか言えない。
 
それにしても、
マンガ家全員に「原稿料ゼロ」って言ってるんだろうか。
いくらなんでも そうは思えないんだけど。
フツーにプロとして活動してるマンガ家さんが
そんな条件を呑むとは思えない。
一方で、デジコミだって、主力作家がいなければ売れやしない。
一部のマンガ家には原稿料支払われてるんだと思うんだけどな。

新人作家のところへは、そのまんま
原稿料ゼロでの原稿依頼があったんだって。
でもその新人さんだってためらってた。
当然だよね。

デジコミの読者の方からは「内容が薄い。」との意見もあったとか。

こんな状態では早晩デジコミの「ホラーM」も潰れる。
出版社はそれでも良いと考えてるのかもしれない。
手持ちの原稿でいくらか稼げれば良いだけなのかも。

そうして「キアラ」は連載再開、完結の目処もないまま
1、2巻分が配信され続け、
購入してくれた読者の期待を裏切り続けている...。

続く。
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