忍者ブログ
マンガ家Mの日常
パリの駅に設置されたピアノから始まる、音楽映画。


誰でも自由に弾けるように、パリの駅構内にピアノが設置されている。
若い青年マチューが奏でるバッハの新鮮な解釈に
音楽学校のディレクターのピエールは魅了され、スカウトを試みる。

貧しい環境で育ったマチューは、
幼い頃から同じアパートの老教師ジャックに無償でピアノを習っていたが、
ジャックが亡くなった後は、シングルマザーの母親はレッスン代を払えない為、
ジャックから譲り受けたピアノで、独学で練習していた。

地元の不良仲間と、豪邸に窃盗に入り、
グランドピアノを弾くのに夢中になったマチューは逃げそびれ、逮捕される。
ピエールに電話して保釈してもらい、学校の掃除で半年間の公益奉仕につく。

経営不振の音楽学校を立て直す為に、国際コンクールでの優勝が必須となって、
ピエールはマチューに掃除を中断させ、ピアノのレッスンに集中させる。
苦手なソルフェージュの特訓に苛立ち、反発するが、
チェロ奏者の恋人アンナに励まされ、レッスンに邁進する。

ピエールは2年前に愛息子を癌で亡くしていた。
マチューは身代わりにされたように感じ、またもや反発を深めるが、
母親の言葉に支えられ、コンクールに向かい、見事優勝を果たす。


展開としてはやや単純なサクセスストーリー。
マチューを演じるジュール・ベンシェトリは、
名優ジャン=ルイ・トランティニャンの孫という超サラブレッドで、
爽やかな存在感が映画に新鮮な空気を送り込んだ。

ただ、大人の鑑賞者の目線からすると、
やはり、もうちょっとエピソードに引っ掛かりが欲しかった。

音楽学校の生徒であれば、誰しも一流の教師にレッスンを受ける事を願っており、
コンクールに出場してステップアップするのも、大きな目標の一つ。
それが、ディレクターの鶴の一声で、あまり練習熱心でもない青年が
依怙贔屓されるのは、もっと反感を買う筈。
マチューの我儘ぶりには、嫌な気持ちにさせられる。
地元の不良仲間との関係性にしても、もう少し動きがあっても良い。

ピエール役はランベール・ウィルソン。
往年の美男子も、大分おじいちゃんになった。

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック