コメディ映画だとあったので、深夜に見てみたら、笑って良い内容ではなかった。
実話が元になっているそうです。

タイトルを直訳すると「戦争の犬」となって、
かつての名作「戦争の犬たち」を思い起こすけど、
この「犬たち」は傭兵で、こちらの「犬」は武器商人でした。
武器商人と言えば、ニコラス・ケイジの「ロード・オブ・ウォー」もあったな。


大学中退して、現在は出張マッサージ師として働くデヴィッドは、
同棲中の恋人イズが妊娠して、経済的に焦りを覚えた。
悪友エフレムと久々に再会して、武器販売の仕事に誘われる。

米国政府の公開入札のHPをつぶさに見て、
中小業者が取り扱える武器の売買を頻繁に行う。
イラク戦争中で、事業は次第に拡張し、優秀な従業員も雇うようになった。
しかし、一攫千金を狙うエフレムは次第にヤバイ取引にも手を染め始めた。

イズはデヴィッドの仕事の内容に気付き、腹を立てるが、
エフレムからの受け売り通り、デヴィッドから
「戦争には反対でも、戦争は行われている。」という理屈を聞かされ、
また、子育てに必要なお金を考えて、了承してしまう。
暫くはリッチな生活を楽しむが、やがてデヴィッドと気持ちがすれ違うようになる。

デヴィッドはヘンリーという有名な武器密輸業者と知り合い、
大量の銃弾の密輸を仲介されるが、思わぬトラブルに巻き込まれる。
海外での危険な取引をデヴィッドに押し付けるようになっていたエフレムは、
デヴィッドを助けるどころか、パートナーとしての利益まで奪おうとする。

ヘンリーに命まで危うくされかけたデヴィッドは、密輸から撤退し、
密輸の裏事情を盾に、身を守る。
家庭を守るべく、イズとの関係を修復し、元のマッサージ師の仕事に戻るが、
本来輸出の禁止されている中国製の武器弾薬を
偽装して政府に売った事が明るみになり、エフレム共々逮捕される。


武器商人の問題よりも、
米国軍がこれだけ大量に武器弾薬を消費しているという事実が恐ろしい。

デヴィッド役のマイルズ・テラーは地味な感じで、
ナレーションの声もあまり好きになれない。
でも、地味な青年が狂気の道に踏み込んで行く物語には最適なんだろう。
ラストで、自分を裏切ったエフレムに向けた視線の厳しさが目を引く。
と、思ってたら、
「セッション」の主役も演じていたのね。納得。

エフレム役のジョナ・ヒルは、胡散臭さ満点。

「CSI」のウォレス・ランガムが、ほんのチョイ役で一瞬顔が映った。
それでもしっかりエンドロールに名前が出ている。
カメオ出演と言える程の有名俳優でもないので、友情出演なのかな。