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マンガ家Mの日常
英国のブラックコメディ映画。


作家志望の青年ウィリアムは、作品が売れず、バイトも首になり、貧乏暮らし。
幼い頃、事故で両親を亡くしたトラウマもあり、自殺願望を強めていた。
数回自殺を試みていたが、毎回失敗。
橋から入水自殺しようとして躊躇っている時、老人に声をかけられる。
レスリーという名の老人は暗殺者組合所属の暗殺者で、
自殺の手伝いも引き受けると言う。
ウィリアムはまたもや自殺に失敗し、レスリーに暗殺の依頼をする。

その直後、若い女性の編集者エリーから電話があり、
作品に共感したので出版したいとの申し出を伝えられる。
ウィリアムは暗殺される意思は変わってなかったが、
エリーとの共同編集作業に日数がかかる為、暗殺の延期を希望するようになった。

一方、レスリーは暗殺組合から年齢的に引退を勧告されており、
ノルマがこなせないと、引退が決定してしまう。
理解のある妻ペニーは長年レスリーを支えて来たが、
二人でゆっくり余生を楽しみたく、レスリーの引退を望んでいる。
暗殺こそが自分の人生だと信じているレスリーは、何としても仕事を続けたい。
ウィリアムを撃ち殺そうとするが、失敗してしまう。
暗殺組合は組合を守る為にも、レスリーを排除しようと考え、
レスリーに暗殺者アイヴァンを仕向ける。

ウィリアムはエリーと恋に落ち、暗殺の事情を詳しく説明する。
2人でエリーの実家に逃げるが、レスリーと、アイヴァンが追って来る。
ギリギリの攻防で、レスリーはアイヴァンを殺害し、
ウィリアムの言葉に共感して、2人を見逃す。
レスリーの家に、暗殺者組合の会長が来て、レスリーに銃を向けるが、
ペニーがレスリーの引退を説得した事で、処分を取り下げる。


英国らしいブラックさの香るコメディ。
オーブンに頭を突っ込んで自殺しようとしたら、
料金未納でガスを止められてたとか、
保険のセールスのような暗殺者組合のノルマ表だとか、
レスリーの妻ペニーの飄々とした雰囲気、等々。
自殺とか、暗殺とか、笑っちゃいけないんだけど、
それらを乗り越えて、生きる意味を見出していくのがテーマ。
殺されそうになったエリーを守ろうとしたウィリアムは、
「生き甲斐の為なら死ねる。」と。
矛盾したセリフのようでありながら、生きる意味の強さを含んでいる。

ラスト、かつてヒーロー的な死を望んでいたウィリアムが、
車に轢かれそうになった少年を助けて、自らがはねられる。
生き延びた直後の死の皮肉とも取れるけど、
ここは、自然と人助けに身体が反応したウィリアムの成長と見てとりたい。

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