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マンガ家Mの日常
これまたやはり、世の中のどの夫婦もそうであるように、
S は夫への愚痴を散々並べながらも、離婚には至らなかった。

最近でこそ、女性が30代を過ぎてから結婚を考えるのが珍しくなくなったが、
Sや私の世代では、20代中盤がピークとされ、
男性は多少年齢が上がっても、結婚、再婚も問題ないが、
女性は可能性がぐんと下がってしまう。
(とりあえず、自分のことは棚に上げて書くが、)
Sは地味な容姿で、いわゆる男性受けするタイプではない。
今の夫を手放したら、もう次は無いと言う焦りもあっただろうし、
強がりを言ってはいても、夫よりもむしろSの方が、
相手を引き止めたいようだった。
そういうの、素直になれば良いのにと思うんだけど。

夫との不和が常にSの精神状態を圧迫しているのか、
それまでの地味な異性関係にコンプレックスがあるのか、
私が少しでも男性に関する話をすると、Sは変に競争意識を働かせて、
マウントを取ろうとして来た。
旅行先のパリのカフェで、(まぁ、日本人女性観光客へのサービスなんだろうけど)
イケメンのギャルソンにいきなりハグされた話をすれば、
Sは中東の秘境ツアー先で民族衣装を試着した際、
現地ガイドに何度も「綺麗だ。」と言われたと話し出した。
そりゃあ、経済的に貧しい地域に金満日本人ツアー客が来れば、
お金を落としてもらう為に、いくらでもお世辞は言うだろう。
とある男性にデートに誘われた時も、S はわざと否定的に言って来た。

言い返せば険悪になるだろうし、毎回のマウントがどうにも面倒だったので、
かなり早い段階から、こちらからはSに男性関係の話はしなくなった。
知り合った時には既にSは結婚していて、
同じ男性を取り合うようなシチュエーションになる訳でも無いので、
子供染みたマウントに何の意味があるのか。

Sとは音楽の趣味や日常的価値観でも共通する事があり、親しく話しも出来たが、
今こうして振り返ると、
マウントされたり、一方的に散々愚痴を聞かされたりし続けて、
何故我慢していたんだろうと思う。

(続く。)
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