忍者ブログ
マンガ家Mの日常
やっとこちらの話題に戻って来れました。


世の中のどの夫婦もそうであるように、Sの結婚生活も、
20代の恋愛のときめきは、間も無く色褪せた。
私がSと知り合ってすぐの頃はまだ良かったようだったが、
付き合いが長くなるに連れて、愚痴が増えていった。

Sの夫がニートになったのが、結婚前後のどのタイミングだったかは分からない。
夫の実家は、Sとの結婚を元々あまりよく思っていなかったようだったが、
息子の先行きを懸念して、地元に戻って就職するよう願うようになった。
その前提として、まずは東京を離れて地元に戻る為にも、
夫の実家は、息子とSの離婚を望んだ。

成人した夫婦に対して、実家が何かの権限を持つ訳でもなく、
Sと夫の、東京での結婚生活は続いた。
しかし、実家の両親の立場で見れば、両親の気持ちも痛切に響く。
Sと、夫の実家との関係は更に悪くなって行った。

そして、Sと夫との間に、具体的な明確な問題があった訳でもないが、
やはり、次第に険悪になって行った。
休日も顔をあわせる時間を減らすよう、
互いに時間差でスポーツジムに行ったりするようになっていた。


はい、
何故私がS夫婦の状況を、このように具体的に語れるかと言うと、
Sと親しくなってからの年月の間、ずっとSに愚痴を聞かされ続けて来たから。

友達だと思うから、Sの立場に立って、気持ちを汲んで、
なるべくフォローするように受け答えしていたけど、
そうすると、いくらでも愚痴って良いのだと思われたのか、
会う度に、同じような愚痴が延々続いた。
一緒に映画やコンサートを観た後、遅めの夕食でレストランに入り、
楽しく過ごそうと思う間も無く、Sが暗い表情で愚痴り始めるのだった。

Sは海外旅行が趣味で、旅行仲間達と秘境ツアー等に頻繁に出かけていた。
たまには誘ってくれないか尋ねたら、
友達関係を分けておきたいと言われ、断られた。
だったら、そちらの旅行仲間達に好きなだけ愚痴って気晴らしして来てくれ。
さぞ楽しい旅行になるだろう。

(続く。)

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック