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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意。


昨年11月中旬、諸々一区切り付いたと思った頃に読み始めたら、
U2ツアーのチケットの先行予約で大慌てになって、
その後、光回線やiPhoneXの設定や何やかやで家中ひっくり返って、
何もかもがごった返して収集つかなくなってしまって、
読書どころでは無くなっていた。

ミステリー小説は一気読みしたい。
そうでないと、展開が分からなくなるし、
ミステリーの最大の魅力である緊迫感も削がれる。

改めて読み進めた。
幸い、今作の設定はさほど複雑ではなかったので、すんなり戻って行けた。

ミステリー小説では一番のお気に入り作家、
ジェフリー・ディーヴァーのキャサリン・ダンスのシリーズ第3作。
リンカーン・ライムのシリーズに比べると、ややポップなイメージがある。


美人カントリー歌手ケイリーはしつこいストーカーファンに悩まされていた。
地元でコンサートを開催しようとしたところ、
エンジニアのボビーが設営中のステージ上での事故で亡くなる。
それは事故に見せかけた残酷な殺人だった。
ケイリーの友人でもあるダンスは、地元警察と折り合いをつけながら捜査にあたる。

ストーカー青年エドウィンが犯人だと見られていたが、
地元出身の有力政治家を排斥しようとする一派に利用されていたと判明。

エドウィンの容疑は晴れ、
元々の殺人事件はケイリーのスタッフの女性によるものと見られた。
ところが、そう惑わされたのは、エドウィンに仕組まれた罠だった。


ジェフリー・ディーヴァーの精緻な作品を読み続けて来た身としては、
そうやすやすと引っかかりはしない。
大体、残りのページ数を見れば、どんでん返しが待っているのは一目瞭然。
とは言え、本来のストーカー犯人であるエドウィンの犯行が、
別の犯罪に利用されていたという設定は、さすがディーヴァー。

チケットやその他の事で、コンサートに関して頭を悩ませていた時期だけに、
コンサートが舞台になる展開はちょっとシンドかった。
でも、エンターテインメント性が高くて、楽しめる作品でした。

ディーヴァーの作品が好きな理由として、
展開の巧みさ、設定の緻密さは勿論の事、文章の構成力もある。
情報に無駄が無くて読み易い。
エンターテインメントとして、文章量等を考慮してもいるのだろう。
質の高いミステリーを描ける作家は、文章においても構成に長けている。

ディーヴァーの本はライムのシリーズの買い置きが1作ある。
他に読みたい本もあるので、すぐには手を付けられないのが残念。
ダンスもライムも新書版の既刊が1作ずつあるけれど、
いつも文庫で買っているので、それらの新作にもまだ暫くたどり着けない。
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