忍者ブログ
マンガ家Mの日常
新聞から、残念なニュース。
大阪の泉佐野市で差別的表現があるとして「はだしのゲン」が
小中学校の図書館から回収されてしまった。
地域的に...差別表現についての対処が難しいのかもしれない。

小さい頃祖母から、そう言う言葉を使わないよう戒められていた。
なので、その言葉を口に出すのがどうしても躊躇われる。
今回新聞でも紹介されていた差別表現というのがその言葉だった。
英語なら良いんだろうけどね、「crazy」。
でも、祖母は今で言うところの差別表現の他の言葉はちょいちょい使ってた。

時代が少しずつ変わって来て、そういう昔の言葉を使わない、
使ってはいけないようになって来た。
その事自体は悪く無い。
でも、こうして当時の作品が排除される理由付けに使われてしまうのは残念。

「はだしのゲン」については、以前残虐な表現等が問題視された。
そう言う事も含めて、例えば注釈本を学校側が作成して、
生徒には同時に呼んでもらうようにするとか、何か良い手立てはあると思う。

ジャンルは全く違うけど、
矢口高雄先生の名作「釣りキチ三平」も、その言葉が原因で
長らく廃刊状態にされていた。
作中じゃなくて、タイトルそのものだから、どうにもならなかったんだろう。
でも、ここ何年か復刊されている。
どうしてそうなったか、理由は知らないけど、
出版不況で稼げる名作が必要になったのか?

阪神タイガースの「トラキチ」は「トラ吉」で逃げた。

もっと有名なところでは、映画「気狂いピエロ」、
これだけは特別扱いで、ずっとそのタイトルで紹介されていた。
気になるんだったら変更しても良かったんじゃなかろうかとも思えるけどね。
サリンジャーの代表作「ライ麦畑でつかまえて」が、どっかの誰かのお陰で
今や「キャッチャー・イン・ザ・ライ」だもんねぇ。

横溝正史先生の名作「獄門島」も、その言葉がキーになってるのに
コミック化の際に使えなくなって、皆困ってた。

昔のアニメが再放送されると、ところどころ言葉が消されてたりして
おやっと思う。
でも、最近は映画なんかじゃ冒頭で注釈をつけて放映してる。
映画が良いんだったらアニメでも良いだろうと思うけど、
アニメは子供も見るからって事で、ダメなんだろうなぁ。

「はだしのゲン」だけが特別扱いってわけにもいかないのかもしれないけど、
貴重な作品であるから、回収撤回に向けて策が練られるよう願う。
難しいかもしれないけど、現在の著作権者と話し合って、
問題部分の言葉だけ入れ替えて再販するとか。
作者であればオリジナル表現を尊重して欲しいと思うものだけれど、
作品の公開の為ならそれくらいの譲歩は出来るんじゃなかろうか。

良い方向に時代を動かすのが命題ならば、
良い作品が公開される方向で検討して欲しい。
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック