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マンガ家Mの日常
アメリカのストップモーションアニメ映画。
第77回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞受賞。


1886年、ヴィクトリア朝時代のロンドン。
探検家のライオネル・フロスト卿は、未知の生物発見にご執心。
成果を証明して、上級貴族達の集まりに入会を希望していた。

ある日、アメリカでビッグフットが目撃されたとの手紙を受け取る。
現地に赴くと、英語を話すビッグフットのリンクが現れた。
孤独な生活を嘆くリンクは、自らフロストに手紙を送って、自分を発見してもらい、
仲間(イエティ)がいると思われるヒマラヤに連れて行くよう頼む。
同情したフロストはリンクをロンドンに連れ帰り、
イエティ生息地の地図を持っていると思われる元カノのアデリーナに会いに行く。
傲慢なフロストに嫌気がさしていたアデリーナだったが、
最終的に、同行する事で地図を渡す。

フロストを毛嫌いする上級貴族ダンスビー卿は、フロストの成功を阻止すべく、
暗殺者ステンクを送り込む。
フロスト達はステンクの攻撃をかわしながら、
地図が指し示すイエティの生息地「シャングリラ」に到達。
しかし、プライドの高いイエティ一族は、
シャングリラの秘密と天然の自然を守るべく、フロスト達を幽閉する。

協力して逃げ出すと、ステンクとダンスビーが待ち構えていた。
戦いの末、ステンクとダンスビーは谷底に落下して死亡。
ロンドンに戻ったフロストは、リンクを冒険の相棒にする。


受賞が示す通り、批評家からは高評価だったものの、興行的には失敗だったらしい。
理由は不明だけど、子供向きにしてはイマイチ可愛くないからかな。

ともかく、画面が凄い。緻密で繊細。
ストップモーションアニメ映画の範疇を超えているように思う。
とは言え、CG技術が目覚ましい進化を遂げる現代で、
ストップモーションでの制作にどのような意味があるのか、微妙。
職人気質かな。
むしろ、CG的ではなく、ストップモーションの味わいを見せる方が良いのかも。
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この1週間、ブログの空きが多い。反省。
昼間色々頑張り過ぎると、夜うたた寝して、そのまま0時を越えてしまう。


スウェーデンのコメディ映画。
80年代から続く国民的人気作のリブート版。
監督は「ぼくのエリ 200歳の少女」「裏切りのサーカス」といった
超シリアスな作品で知られるトーマス・アルフレッドソン。


ギャング一味のリーダーのシッカンは、大量のコイン強盗の最中、
仲間のドジで逮捕され、服役。
収監中にフィンランドの王冠のネタを仕入れ、強奪を計画。
落ち着いた生活を求める仲間達は当初難色を示すが、やがて結束し、実行に移る。

現在は共和制のフィンランドで、過去に作られた王冠が100年ぶりに発見された。
しかし、その王冠に付けられていた、建国の象徴とも言える由緒ある石、
「カレリアのハート」は行方不明で、教会関係の組織が保管しているらしい。
シッカンは行方を突き止め、見事手に入れる。

同じ頃、北欧3国を牛耳る大富豪も王冠を狙っていた。
共和制で政権交代の度に経済政策が変更され、株価が安定しないことに嫌気がさし、
交代の無い君主制に戻そうと目論み、王族の直系を探し出し、
王冠を携えての国民投票を企てる。
シッカンが盗み出した「ハート」を強引な手法で盗み取る。

大富豪は国民投票実施まで、巨大な地下施設の金庫に「ハート」を保管するが、
シッカン達は大胆な作戦で金庫を破り、「ハート」を奪い返す。
君主制を維持したい大統領に「ハート」を渡すが、
見返りは大統領の個人的な所有物で、ほぼ無価値だった。

落胆する一味だったが、
最初に強奪した大量の古いコインが、貴重なパラジウムを含有しており、
大金が見込めると分かる。


原案の「イェンソン一味」シリーズが、80年代からの作品で、
何ともアナログな世界。
強盗でも、「オーシャンズ・シリーズ」とは別世界。
とはいえ、発想がユニークで楽しい。
最初は単調に思えたけど、気づけばラストまでサクサク観れた。
そして、フィンランド、大丈夫か?
スウェーデンとの力関係は感じるね。

ネットでも、スウェーデン作品に関しての情報が少なく、
「イェンソン一味」についてもよくわからないのが残念。

ダークファンタジー的な「ぼくのエリ」や、
東西冷戦かのスパイ戦を描いた「裏切りのサーカス」といった大作を手掛けた
アルフレッドソン監督が、どうしてまた、ここまでのコメディに転換したのか?
国民的人気作という事で、有名監督に白羽の矢が立ったのかな。




イヴ・モンタン主演、フランスのコメディ映画。
随分前に観て、何となく好きだったので、再放送で改めて鑑賞。


パリの中級レストランで給仕長として働くアレックス。
20年前に離婚し、独り暮らしの中高年となった身で、恋愛現役。
居候していた若い恋人は、やっぱり年齢が合わないとして離れて行く。
そんな折、昔の恋人クレールと出会う。
語学学校に勤務しているクレールを追っかけて、入学。
クレールは離婚寸前で、アレックスとよりを戻す。

保有していた海辺の土地に、バカンス時期のみ遊園地を開設する計画を立て、
遊具の業者と話し合いを進めているが、資金が足りず、
事業が成功して裕福になった元妻に媚びて、上手いこと言い包めてお金を借りる。

クレールとは順調そうに見えたが、アレックスの女癖は悪く、
他の女性と一夜を過ごしていたのをクレールは察知する。
クレールはアレックスと別れて、別の男性の元へ向かう。

海辺の遊園地はめでたく開業し、大勢の子供達で賑わう。
時ならぬスコールに見舞われ、皆でテントに入り込む。


冒頭、ランチで混み合うレストランで、
アレックスはじめ多くのギャルソン達が両手に皿を携えて、
店内を縫うように動き回る様子をカメラが追う。
このシーンだけでも今作を見る価値がある。

映画公開時、イヴ・モンタンは62歳。
アレックスとモンタン自身のイメージが重なる。
俳優としても活躍したが、個人的には歌手のイメージが強い。
小粋でお洒落で、浮気好き。

アレックスは同僚のジルベールから「他人に無関心」と言われてしまうが、
短気なジルベールが料理長ともめると、
一生懸命かばったりする熱さも持ち合わせている。
まぁ、それにしても、恋多き男で、懲りない。
これぞパリジャンって感じかなぁ。

ラスト、遊園地で仲間と楽しく過ごすが、スコールに見舞われるシーンが、
アレックスの人生を象徴している。
予想もしないトラブルは常に発生するが、人生は楽しからずや。



ネタバレ注意。


スイスを舞台にしたサスペンスドラマのミニシリーズ、全6話。


7年前、ジャーナリストのジュリアは、友人の結婚式の会場で、
内縁の夫ダヴィッドをガス爆発事故で失う。
鬱状態で仕事を辞め、今はタクシー運転手として生計を立てている。

ある日、乗車した男性客に見覚えがあり、結婚式当日の写真をチェックすると、
ガス爆発のあった室内にその男性の姿があった。
乗車時に告げられた住所を手掛かりに、その男性エスポジトに辿り着くが、
部屋でガス爆発が起こり、ジュリアはかろうじて逃げ出すが、エスポジトは焼死。
ジュリアの周囲では、あらゆる電子機器がハッキングされ、使用不能となる。

エスポジトは地元の刑事で、事件の捜査が開始される。
ベテラン刑事部長ジョセフは退官日を迎えたが、心残りで捜査を継続する。
防犯カメラで、エスポジトのアパートから走り去るジュリアを確認し、指名手配。

ジュリアの17歳の息子アシルもまた高度なハッキングの腕前を持つ。
夫の死後、鬱状態で過ごした母親に反感を抱いていたが、
事件の深刻さを理解して、ジュリアと共に逃避行し、真相究明に協力する。
ジュリアをハッキングしていたのは「イゼベル」という大物ハッカーと判明。
イゼベルは巨大企業の悪事を暴くなどして、ネット民の支持を集める一方、
自らも悪事を働いていたらしい形跡もあり、賛否両論。

イゼベルからは、頻繁に「あなた次第だ。」という警告文が届く。
アシルは通信からイゼベルの現在位置を特定し、ジュリアと共に向かう。
万が一に備えて、友人にジョセフにも位置情報が届けられるよう頼む。

スイスの山中に、かつての軍事防空壕の施設があり、
ジュリアとアシルが中に入ると、手錠で繋がれたダヴィッドがいた。
ダヴィッドは、大学教授のケレールに脅され、死を偽装して拉致され、
様々なハッキングによる犯罪の手伝いをさせられていたと告げる。

ジュリアは元々ダヴィッドが所有していた4WDで古いカセットテープをかけると、
二人が出会った時の思い出の曲が流れ、
歌詞から、「イゼベル」の正体はダヴィッドだと気づく。

7年前、高度なハッキングアルゴリズムを開発したダヴィッドは、論文を書き、
大学に職を得ようとしていたが、
審査を担当した教授ケレールの反感を買い、落とされる。
請求書の支払いの為に、ハッキング技術を利用して、
他者のスキャンダルを見つけては、脅して金を巻き上げていた。
ジュリアに言い出せず、教授職を得たように見せかけていたが、ケレールにバレる。
ケレールから、娘を死に追いやった製薬会社の告発の手伝いを求められるが、
脅され、勢いでケレールを殺してしまうと、
暴力沙汰の映像で脅しをかけていた刑事エスポジトに隠蔽を手伝わせる。
結婚式のガス爆発では、ケレールの遺体を利用した。
その後は防空壕で設備を整え、「イゼベル」として活動し、
罪の意識から、ケレールの製薬会社告発も手がけた。

ダヴィッドは逃げて、自殺を図ろうとするが、ジュリアに説得され、
ジョセフと共に駆けつけた警察に逮捕される。

全て解決して、自身を取り戻したジュリアは、
改めてジャーナリストの仕事を再スタートする決意を固める。


ガス爆発でのダヴィッドの死の状況から、もしや偽装かと予測できたが、
犯罪に至る過程はなかなか興味深かった。
これが「アカハラ」ってヤツか。
傲慢さを匂わすダヴィッドを、ケレールが諌める程度に済ませれば、
その後の悲劇は起こらなかったのに。

タフなジュリアのキャラクターは見応えがある。
でも、結局のところ、事件解決のカギはIT技術なのね。

それぞれの人間的会計が丁寧に描かれていた。
ジョセフのキャラクターも良い。
徹底した仕事人間で、引退直後に夫と旅行する筈が、事件が気になって仕方ない。
信頼して後を任せた部下は頼りなく、
逆に、来たばかりの若いインターン女性とコンビを組む。

ラスト、ダヴィッドが自殺を思いとどまったのは良いけど、
その後はどうなった?
少なくとも2人は殺害してるし、IT犯罪も犯している。
裁判にも時間がかかるだろうし、終身刑に近い判決が出る?
そういう状況なのに、ジュリアとアシルが晴れ晴れとしてるのはどうなんだ?


アメリカの社会派コメディ映画。
第96回アカデミー賞脚色賞受賞という好評かながらも、日本では劇場未公開。
多分、テーマや配役等、地味だったから?


黒人エリート家庭で育ち、ハーバード大学出身の大学教授の
セロニアス・エリソン、通称「モンク」は、
作家として活動するも、高尚な内容がイマイチ受けず、出版社が二の足を踏む。
「黒人」という括られ方を嫌っていたモンクは、
同業者の黒人作家が、ステレオタイプの黒人社会を描いた作品で
ベストセラーになるのを横目で見て、
半ばヤケクソで、偽名で、「貧困、暴力、ラップ」をテーマにした黒人小説を書く。
出版するつもりさえ無かったが、出版社には大ウケ。
折しも、母親が認知症の初期症状を示し、介護費用が必要となり、
高額な契約金につられてOKすると、さらに急展開は続き、映画化の契約まで決まる。

母親の世話を担っていた姉が急死。
兄は父親が亡くなったのを境にカミングアウトして、ゲイの恋愛に浸り、
ドラッグ使用で生活が荒れ気味で、あてにならない。
モンク自身も、子供時代の両親との不和の記憶を抱えて鬱々としていた。
母親を高級な施設に入所させて、親孝行出来たものの、愛されてる実感は得られない。
イライラが募り、新恋人に八つ当たりしてフラれてしまう。

小説はベストセラーとなり、文学賞も受賞。
モンクはやむなく逃亡中の犯罪者の仮面を被ってインタビュー等に応じる。

ところが、ラストシーンは、映画の脚本のラストを選択する形で複数描かれ、
ハッキリしないまま終わる。
授賞式の会場で真実をぶちまけて、恋人と復縁するパターン、
逃亡中の犯罪者との設定がFBIの捜査対象となり、会場で射殺されるパターン等。
まあ、現実は映画のようにドラマチックにはいかないという事か。


地味ながら、引き込まれる作品だった。
いわゆる、人種バイアス。
笑いと共に、モンクの焦ったさがヒリヒリと伝わる。
白人が感動しやすい「黒人の物語」があるわけで、そこに一石を投じた。
勿論これまでも、無数の「黒人映画」が感動を呼んだ実績もあって、
それを有効利用するのもひとつなのだろうけど。
ハリウッドでは、アジア人も似たようなものかな。

名前が「セロニアス」だから、
有名なジャズピアニストのセロニアス・モンクに因んで、
ニックネームが「モンク」ってのがオシャレだし、
ハイクラスな環境にいる事を示している。