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マンガ家Mの日常
「バッド・ジーニアス」オリジナル本国版。

ストーリー展開の大筋は同じなので、リメイクとの違いについて触れる。

舞台は製作国の通り、タイで、リンを始め、学生達は皆タイ人。
リンの父親は別の学校の教師で、慎ましい生活ながら、困窮はしていない。
もう1人の天才バンクの家業が母親の経営する小さなランドリーで、
洗濯機が壊れ、手洗いで洗濯し、バンクも手伝っている。
経済状況が深刻なのはバンクのみ。
リンがカンニングに加担して大金を稼ごうとした動機が明確ではない。
お金よりも、グレース達の仲間でいたかったのか。

オリジナルでは、リンは特に音大に進むつもりでもない。
高校でのカンニングにピアノの指運びを利用するアイデアも、
リメイクでは音大を目指している状況と上手く合致できているように思える。
ピアノという要素がより鮮明になるし、父親への反抗動機としてもわかりやすい。

最大の違いは、SATに相当する試験を受けた時、
リメイクではバンクはリンの助けを得て逃げ果せるが、
オリジナルではバンクだけ捕まってしまうという展開とその後。

バンクはリンを庇って、口をつぐむ。
結果、バンクは将来的に大学進学を諦めざるを得ない状況に追いやられる。
グレース達から支払われた大金でランドリーの洗濯機を新しく買い替え、
このまま「洗濯屋」として生きるしかないのか。
幾分自暴自棄になったバンクは、カンニング事業を続けて稼ごうと、
リンに話を持ちかけるが、
不安と後悔で押し潰されそうなリンはバンクの申し出を断り、
父親に全てを告白し、付き添ってもらって警察に自首する。

オリジナルを先に見ていたら、そうした現実的展開に心を掴まれたかもしれない。
でも、オリジナルでは、バンクがあまりにも気の毒。
リン達のカンニングを校長に報告したチクリ野郎ではあるけど、
真面目なだけで、何か悪い事をしたわけではない。
ところが、大学進学の奨学金を得る試験を受けられなくさせられ、
カンニングに加担するしか、進学費用を得る方法が無くなってしまう。
挙句に、試験会場で捕まり、人生詰んだ。
リンが自首に至ったのは、正しい事をする為というより、
犯罪行為の不安から逃れたいのが中心で、バンクに対する思いやりは消えた。
自首して、関係した学生達が逮捕されたところで、
富裕層の学生達は、親の財力で逃げ切るに決まっている。
ただし、SATとは制度が違うようで、
今回の試験結果だけでは大学入学には足りないらしい。
リンは、その後のカンニングの手助けは断る。

真面目で、優秀なバンク1人が、不真面目な金持ちの身勝手さによって
人生を破滅させられたという構図に、言いようのない怒りが込み上げてくる。

オリジナルはオリジナルとして尊重されるべきだし、
先に観ていたら、リアルな表現に心を引かれただろう。

でも、リメイクのハッピーエンドに救われる。

リメイクの製作陣も、私と同様、バンクを救ってあげたくなったんだろうな。

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2017年大ヒットしたタイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」の
ハリウッド版リメイク。
中国で起きた、実際の高校生のカンニング事件をもとに制作された。

タイ映画に馴染みがなかったので、分かり易そうなハリウッド版を選択。
facebookの映画のグループで、本国版も勧められ、その後鑑賞。
今回はとりあえずハリウッド版のストーリーから。


アメリカに移住して来た、中国系のリンとシングルファザーのモウ。
モウはコインランドリーを経営しているが、収入はカツカツ。
超秀才のリンは、有名高校で奨学金を得て、MIT進学を目指す。
しかし内心では、亡くなった母親に手ほどきを受けていたピアノの道に進みたい。

富裕層の娘で、気立ての良い同級生グレースと親しくなる。
グレースは試験に落第しそうで焦っていた。
リンはカンニングを手伝い、グレースに良い成績を取らせると、
グレースのBFパットやその友達から、高額なバイト代で次々とカンニングを頼まれる。
有名弁護士であるパットの父親からも、暗に依頼されてる。
収入が父親の窮状の救いになればとも思っていたが、
同じく超優等生のバンクに知られ、校長にもバレて、奨学金を取り消され、
有名大学への奨学金付き入試の資格からも外されてしまう。

しばらく大人しくしていたが、いよいよSATの試験が近づくと、
グレースとパットから再びカンニングの手助けを頼まれる。
およそ30人の富裕層の学生達から、多額の依頼料が支払われる。
そのお金があれば、グレースは念願のジュリアードに進学もできるだろう。

SATの監視体制は厳しく、リン1人ではカンニング作戦を遂行しきれない。
バンクに手助けを求めるが、断られる。
アフリカ系のバンクはリンよりも貧しい暮らしをしていて、
有名大学への奨学金に人生をかけていた。
ところが、面接の前夜、不良青年達から暴行を受け、面接に行けなくなった。
進学費用を得るべく、リン達の計画に参加。
しかし、暴行事件は、バンクに奨学金を諦めさせる為のパットの策略だとわかる。
憤慨して、一旦は協力を断るが、リンの説得もあり、分け前増額を条件に戻る。

リンとバンクは偽の身分証でNYでSATの試験を受ける。
2人で半分ずつ分担して解答の番号を記憶し、LAのグレース達に送信。
グレースとパットは解答をバーコードに変換して印刷し、試験用の鉛筆に貼り付け、
参加者達に配る。
最初の1、2回はスムーズにいくが、その後、試験会場の監視が厳しくなり、
最後の試験の終了時、監督官にバレそうになる。
グレースはバンクをうまく逃がしてやり、ギリギリのところで助かる。

カンニング参加者は優秀な成績を取り、
リンとバンクは大学進学費用を稼げて、皆、万々歳。
リンはグレースと一緒にNYでの大学生ライフを楽しみにしていたが、
グレースは休学して、パットと1年間世界を回る計画だった。
見せかけの友情だったと感じ、ショックを受ける。
SATはカンニング疑惑から、再試験が行われる事となったと報道された。
多くの学生達に迷惑をかけたと後悔し、償いを考える。
パットの父親に、再試験を受ける学生達への補償金を要請し、受諾される。
リンはジュリアードに面接用のビデオを送り、入学試験に備える。


鑑賞から少し経ったので、若干微妙だけど、ストーリーは大体こんな感じ。
どの程度事実を参考にしているのかはわからないけど、
アイデアも展開も面白かった。

個人的に満足いく作品だったけど、
映画グループの方々からのお勧めもあって、その後本国版も観た。
設定の違いが浮き彫りで興味深い。

本国版は、後日。






親知らず抜歯から1週間。
歯科医院で、術後の検査の予約を入れられていて、今日行ってきた。

術後、痛み止めのロキソニンを処方されたけど、特に痛みも無く。
傷口も、もうほぼわからないくらいになっているとか。

消毒薬を少し塗って、終わり。

微妙な生え方をした親知らずに、頻繁に食べかすが詰まってしまい、
隣の歯も虫歯にする懸念もあったので、
歯科医の勧めに従って抜歯の決断をして良かった。

口の中にまだちょっと違和感があるけど、じきに慣れる。

おそらくこの1年間で観た何本かの名作映画が、重いテーマで、
感想を書くにも本腰入れて望まなければと身構えて、
手付かずになったまま、詳細を忘れつつある。
そういう作品から先に記事にしなければと思いつつ、
つい、お手頃なところに手が伸びてしまう。


コリン・ファレル、マーゴット・ロビー、ダブル主演のファンタジーラブコメ映画。


そこそこいい歳になっていながら、まだ独身のデヴィットとサラ。
友人の結婚式に招かれ、出会って、内心惹かれ合う。
何故かあまりにも気軽に結婚を口にするサラ。

後日、デヴィットが自家用車の故障でレンタカーを借りに行くと、
奇妙な受付で、人生を探索する壮大な旅への出発を強制される。
ナビに従ってバーガーショップに入ると、同じくレンタカーで来たサラと再会。
直後にサラのレンタカーが故障して、一緒にドライブする事になる。

ナビに誘導されるままに進むと、次々と不思議なドアに出くわす。
ドアを開けて中に入ると、思い出深い過去の1場面に連れ戻される。
失った恋、両親との触れ合いの時間、等々。
それぞれの時空で、後悔を振り払うように人々に接する。

デヴィットはサラに愛を告げるが、
過去の気ままな付き合いで恋人を傷つけたサラは、真剣な関係に踏み切れない。
意気消沈して帰宅したデヴィットだったが、
思い直したサラがレンタカーのナビを利用してデヴィットのアパート前に現れ、
2人でアパートのドアを通る。
めでたしめでたし。


気軽なロマコメを観ようと思ったのだけど、
大人ファンタジーの設定にイマイチ入って行けず、
いい歳した大人2人のグダグダな会話が長くて、ちょっと退屈だった。
実年齢では、ファレルは40代後半で、ロビーは14歳下。
ファレルはチャーミングだけど、流石に14歳も違うと、老けが感じられる。
いつもながらハリウッド映画では、高齢男性と若い美女をカップルにする。

人生、なるようにしかならん。
過去を振り返れば、誰しも後悔の山。
それをトラウマに、30代40代を過ぎても言い訳しててもしょうがない。
時空の旅で両親の深い愛情を再認識して、
改めて結婚に踏み出そうというラストなのかな。

若い女優とロマコメを演じるには、流石にコリン・ファレルは盛りを過ぎた。
一方、マーゴット・ロビーは印象的な大きな瞳と、レトロなファッションで、
70年代のフランス女優のように美しい。
「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン、
「アイ,トーニャ」のトーニャ・ハーディング、
「バービー」のバービー、等々、多彩な作品で快進撃を続けている。




マイケル・ファスベンダー、ケイト・ブランシェットのダブル主演、
スティーヴン・ソダーバーグ監督のスパイ映画。


英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)で、
不正プログラム「セヴェルス」流出の事態となり、
エリート諜報員ジョージが、組織内部の裏切り者を探し出す任務を命じられた。
容疑者5人の中には、ジョージの妻キャスリンも含まれていた。

ジョージは彼らを夕食に招き、
食事に混入した薬物の影響下で証言を引き出そうとする。
しかしながら、あらわになったのは、彼らの不倫関係等だった。

キャスリンもまた、秘密裏にチューリヒでロシア工作員と接触するといった
不穏な行動が発覚。
しかし、それは、盗まれたと思われるセヴェルスを買い戻す任務だった。

ジョージとキャスリンは自分達がはめられていた事に気付く。
上司のスティーグリッツが2人にセヴェルス盗難の罪を着せ、
メルトダウンを画策していた。
裏工作が露見したスティーグリッツは引退を余儀無くされる。

裏工作の実態が無くなり、2人の銀行口座にはセヴェルス買い戻しの為に託された
700万ポンドがそっくり残された。ラッキー!


華やかなスパイサスペンスかと思って観始めたが、地味な心理劇だった。
頭が悪いので、いつもスパイものって何だかよくわからない。
繰り返し観て、詳細を確認すれば納得できるのかな。
でも、なかなか同じ映画を複数回観ていられないし。

誰が、どこまで真実を語っているのか?
そこを探るのが醍醐味なんだろう。
任務を託された主役のジョージは「正義」の立場なんだと仮定しても、
映画だから、観客を裏切る場合もあるしね。わからん。
キャスリンは、ジョージとの夫婦関係は緊密だった。
でもでも、冷徹で怪しげな雰囲気は拭えない。
スパイなんて、裏の裏の、そのまた裏、どこまで行っても裏があるようなもんだろう。
真実も不実も、裏切りも綯交ぜで、何が正しいのかさえ判然としない。

ジョージ役のファスベンダーの落ち着き払った姿に対して、
キャスリン役のブランシェットのクールで神秘的な、
謎めいた瞳の怖さが際立つ。

ああ、もうちょっとスラスラとスパイものが理解できるようになりたいな。

おっ、そうなったら、スパイになる資格ありかも?