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マンガ家Mの日常
実際の航空機爆破事件を基にしたドラマのミニシリーズ、全5話。
コリン・ファース主演。
大物映画俳優が次々ドラマに出演するようになって、見応えがある。


1988年12月、英国の医師ジム・スワイアは、
NYで休暇を過ごす娘フローラを見送った。
ところが、間も無く、航空機墜落の報道が流れ、絶望の淵に追いやられる。
爆破されて粉々になった機体の残骸が、地方都市ロッカビーに散乱している。
乗客乗員と、墜落機に巻き込まれた地元住民、合わせて270名死亡。

ジムは遺族の会の代表となり、事件究明に奔走する。
新聞記者マーレイも協力して、ジムと情報を共有。
1年5ヶ月後、2人のリビア人男性が容疑者として逮捕され、裁判が始まる。
2人のうち、フイマは無罪となり、メグラヒ1人だけが有罪を宣告される。
当初、犯人逮捕で事件の全容がわかると期待していたジムだったが、
裁判が進み、自らも様々な調査をする中で、逆にメグラヒの無実を確信。
収監されたメグラヒとも面会し、救済を誓う。

ジムはマーレイのつてで危険を承知で単身リビアまで赴き、
カダフィ大佐と面会するも、有効な情報がなかなか得られない。
事件究明にのめり込む夫ジムに対して、
妻ジェーンと家族は悲しみから距離を取り、日常を取り戻したいと願い、
次第に溝が生じる。

ジムとメグラヒの間には友情のようなものが生まれ、
互いに、最後まで戦うと約束していたが、
癌を患って余命幾ばくも無いとなったメグラヒは、
リビアとの取引を受け入れて、控訴を断念。
2009年、祖国の家族の元へ戻り、2年後に亡くなる。

ジムは、イランが爆破を企て、パレスチナ解放人民戦線に実行させたもので、
イランとシリアとの関係性から、アメリカと英国の諜報機関が証拠を捏造し、
リビアのせいにしたと考えている。
リビアは石油産業との関連から英国を脅して、メグラヒを帰国させた。

事件の真相は未だ解明されておらず、
ジムとメグラヒの遺族は戦い続けている。


1988年当時の自分自身の多忙な状況もあって、
このロッカビー事件は全く記憶に無かった。
ネットで検索すると、同時期の時系列を出している方もおられて、
1980年に勃発し、1988年、ロッカビー事件の直前に停戦終結した、
イラン・イラク戦争との関連が示唆されている。
イランによる報復だったのか。
だとしても、大勢の民間人が犠牲になったのには、恐怖しかない。
その前後、1986年にチェルノブイリ原発事故、
1989年にベルリンの壁崩壊と、世界的に激動の時期だったので、
日本のニュースでも殆ど取り上がられていなかったような...。

娘の命を奪った事件の真相究明に向かう、父親ジムの信念と執念が凄い。
真相に近づいたかと思ったら、また遠ざかる。
その繰り返しが彼の動機付けを一層強くしたんだろうか。
一般人が、命の危険も顧みず、単独でリビアまで出向いて、
カダフィ大佐に直接会うなんて、信じ難い行動力。

思えば、日本でも、北朝鮮諜報機関による拉致事件があって、
被害者家族は長年日本政府と交渉を続け、帰還を待ち望んでいる。
理不尽に奪われた家族を、どうして諦め切れようか。

とは言え、
自分だったら、どうするだろうか。



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